Monthly Web Magazine Feb. 2016

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■■■■■比叡山延暦寺で捻挫した話  野崎順次

冬になると一度は雪景色の写真が撮りたくなる。仕事を持つ身だから、土日でないと出かけられない。それで1月24日(日)に比叡山延暦寺に出かけて残雪を楽しんでいたら、こけて捻挫した。40年に一度と云われた大寒波到来時である。

それまでの経過がある。本来、横浜の娘宅で孫と遊んでいた筈なのである。20日(水)から東京出張だった。ところがこの日は全国的に雪が降った。鹿児島でも、福岡でも。新大阪発午前8時16分の新幹線に乗ったが、京都府、滋賀県、岐阜県、愛知県の沿線は全て真っ白で、予定していた多治見での打ち合わせはキャンセルさせてもらった。名古屋あたりから快晴になり、富士山頂の雪煙が見えた。

   

結局、1時間遅れで東京に着いた。東京の積雪はほとんど残っていなかったが、非常に寒い。いつも通り、金曜日の晩に娘宅に泊まった。24日(日)までいるつもりだ。土曜日の午前中に外に出て7歳の孫とミニバスケットボールをパスしたりドリブルしていたら、突然、寒気がしてきた。倦怠感もある。1週間前には長男と家内が続けさまにインフルエンザa型にかかった矢先である。大事をとって大阪に戻ることにした。できるだけ気を張っていたら楽になってきて、発熱することもなく、無事に帰宅した。いつもの二日酔いかも知れぬ。

というわけで、大寒波到来の24日(日)の朝は自宅で迎えた。快調である。雪景色を撮影したいので久しぶりに比叡山延暦寺に行くことにした。装備は、最もヘビーデューティな登山用ダウンパーカー、春秋用登山ズボンにタイツ二重、軽登山靴である。京都側のバスやケーブルは3月初めまで運休しているので、冬の公的交通機関としては琵琶湖側の坂本ケーブルしかない。琵琶湖の眺望が素晴らしかった。

  

ここから東塔地域に徒歩10分である。気温はマイナス2℃くらいか。道路は5cmから10cmの雪が筋状にあり、残りは凍結している。靴を真上から降ろすように、また、靴底の接触面積が最大になるように慎重に歩いた。人の歩かない平地の積雪は20cmくらい、窪みは30cm〜40cmくらいで楽しく歩ける程度である。ただし、石段の多くは通行禁止になっていた。

快晴のもと、根本中堂、文殊楼、大講堂、戒壇院と回った。

     

戒壇院から大講堂の石段下に行く緩い登り坂で突然スッテンコロリンとこけた。左手にカメラ付きの三脚を持っていたので、とっさに守ろうとしたが、シフトレンズが凍結雪面に当たった。同時に右足くるぶし外側をひどく路面に打ちつけたようであった。その時はカメラのことばかり気になってたし、アドレナリンが分泌されて痛みを感じなかった。14時15分頃であった。レンズは少し緩んだようだが、取りあえず、実用上は問題なさそうだ。少しほっとして、阿弥陀堂、東塔へ向かった。

  

くるぶしの外側が非常に痛くなってきた。その時は、捻挫ではなく、打ち身だと思っていた。歩けるから、骨折やひびの恐れはないはずである。それから、1時間ばかり撮影してから、16時のケーブルカーで山を下りた。18時30分頃に帰宅、くるぶし回りにボルタレンゲル(経皮鎮痛消炎剤)をたっぷり塗って寝た。

翌日、非常に痛い。近くに有名な整形外科があるので行けばよいが、いつも混んでいるので、気が進まない。何とか歩けるので、会社に行った。

翌々日、近くの整骨院で見て貰った。くるぶしの回りをいろいろ押して、そこは痛いとか、痛くないとか言っていたら、結局、捻挫と判明した。腫れている。「3週間くらいかかりまっせ。」と云われた。こけた時にすぐ冷やせばよかった(そういえば、周囲は雪だらけだったのに)。腫れると直るのが遅くなるそうだ。薬局で売っている棒状靴下タイプのサポーターはあまり効果がないとのことで、お薦めのテーピングタイプを買った。税込み1,188円である。靴下の上から巻き付けるだけで、支持効果がよい。

   

3日間くらい不自由な歩き方であったが、ボルタレンゲルが良かったのか、サポーターが良かったのか、順調に直って行った。捻挫してから、ちょうど1週間後の1月31日(日)、再び、比叡山延暦寺に出かけ、西塔地域を撮影できた。雪はほとんど融けていた。スマホに着いている万歩計によれば、この日の歩数は2万余、登った階数は23階相当だった。

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