Monthly Web Magazine May 2016
桜の季節が終わった頃京都に遊びに行った。
見ておかねばと思っていたところのいくつかを見てしまおうということで智積院の楓図と桜図を並べて眺めてみるとか、桂離宮や修学院離宮を見てみるとか、その他幾つか回ったが印象に残るのが外国人の多さだ。
特に伏見稲荷はすごいと感じる。日本の観光地としてはTripadvisorのランキングで1位となっているだけあって歩いている人殆どが外国人という風情だ。
ここにくれば海外旅行しなくても十分に海外の雰囲気に浸れる。伏見稲荷のトイレもどこか違っている。
勿論ウオッシュレットはなく やや昭和風の丈夫な造りに、ちゃんと座って用をたせ、だの、トイレットペーパーはゴミ捨てに入れず流せ、などが図入りで何ヶ国語かで掲示してある。
そういえばついこの前行ったギリシャでは何処へ行ってもトイレットペーパーは流さずにそばに置いてあるごみ箱に捨てるようになっていて注意書きがあったりもした。
水洗のパイプが細くてすぐに詰まってしまうということらしくて、ちょっと驚いたというか嫌になった。
知らなかったがトイレにトイレットペーパーを流せない国は世界に幾つもあるようだ。
石灯籠には登らないでください、とこれは日本語のみで書いてある、それも昨日今日書かれたものでなくちょっと古びているのもある。
とんでもない外国人のような振る舞いをする日本人が現れて困っている神社の姿が控えめににじみ出ている。ここにくると日本人も少し変わってしまうのかもしれない。
2015年は日本を訪れた外国人数は約2000万人に上ったが、世界1位のフランスには8400万人位(2014年データ)も訪れており観光立国となればこんなものではない外国人が訪れることになる。
もっともっと宿は足りなくなるし飛行機便は国内移動でも取りにくくなるに違いない。
今でも確かに海外から来る人にとって日本は清潔で安全で面白いところと映るだろうなとは思う。
パリやベルギーのテロのような事件があちこちで起きて世界が更に危なくなれば鉦や太鼓で呼び込まなくてももっと外人観光客は増えそうな気がする。それとは別に外国人の働き手も増えていくだろう。
相撲界で成功したように手なづけて日本化して大人しく日本のやり方に従うようにしむけていくことができるだろうか、それとも日本文化自体が次第に変質して新たな文化の華を咲かせるようになるだろうか、どちらにしても今後の展開が面白くなりそうだ。
後100年位生きてみたいがとてもそれは叶わないのが残念だ。