Monthly Web Magazine Aug. 2016

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■ 能登のキリコ祭り 瀧山幸伸

百聞は一見に如かず、宝立七夕キリコ祭り石崎宝燈祭の動画を見てください。

 

祭りをレポートするには動きと音が伝わる動画が有効です。

前回は2012年に取材しましたが、当時は手持ちカメラの安定装置がなく、三脚での撮影でしたから、動きを追いかけるには今一つでした。

今回はカメラを安定させる装置を使い、直近で動きながら撮影することができましたので、臨場感が格段に向上しました。

能登のキリコ祭りは東北のねぶた祭りの源流ともいわれています。

Japan Geographicの映像は視聴率目的ではなく、国の重要無形民俗文化財に指定されている祭りを文化財として民俗学的に記録するのが目的ですから、通常のメディアのようなハイライト部分だけではなく、休憩部分はもちろん、その日の住民やイヌネコの様子なども記録しています。

この住民の目線が重要ですから、メディアのように特権的に高い位置にカメラを据えて独占撮影するなどは極力避けていますし、暗いシーンをありのままに伝えるため、雰囲気を壊すビデオ照明の使用は控えています。

長編をかなりカットしていますが、地元の人々と共に祭りの進行を楽しんでいるような一体感が得られると思います。

映像は4Kです。よく見ると、主人公の背後の空にくっきりと輝く三日月はもちろん、太鼓を叩くお父さんの背後で誇らしげに見上げている小さな息子さん、遠くで赤ん坊を抱えてお父さんを見ているお母さん、意中の青年を見つめている若い女性など、毎秒24コマに写っている人々のそれぞれが主人公で、細かい情景が読み取れるのも4K映像の利点です。

今回も良い音で録音できました。往々にして映像は嘘をつきますが音は嘘をつきません。

BGMもナレーションも入っていませんから、映像を消して音だけを再生すると、生の話し声や楽器音に集中できてさらに臨場感が増します。

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