Monthly Web Magazine Sep. 2016
■石塔は… 大野木康夫
重要文化財(建造物)にはいろいろな石塔が含まれています。
信仰の対象となるため、一部の石塔は、撮影はおろか目にすることもかないません。
(泉涌寺の開山塔と無縫塔、三宝院宝篋印塔、室生寺納経塔など)
また、建築物より目立たないので、見つけるのが困難なものもあります。
東大寺五輪塔(奈良市)
東大寺の北側、三笠霊園の中ほどにある重源上人の供養塔です。
笠部が三角形なのが印象的です。
覚勝院宝篋印塔(京都市右京区)
覚勝院は大覚寺の塔頭ですが、宝篋印塔がある覚勝院の墓地は嵯峨釈迦堂清凉寺の北側です。
圓成寺五輪塔(奈良市)
境内を探しても見当たらないので、お寺の奥さんに尋ねたら、国道を渡ったところに墓地があってその上の方ということでした。
山口薬師堂宝篋印塔(奈良県吉野町)
薬師堂は地元は集会所と認識しているので、聞いてもわからず、探すのに時間がかかりました。
元宝寿院宝篋印塔(滋賀県大津市)
国指定文化財等データベースでは比叡山の無動寺谷にあるとされていますが、実際は山麓の南善坊にあります。
元は津島神社の神宮寺のものですが、神仏分離から転々としたようで、最終的にここに落ち着いたのならいいのですが。
以下は、石塔の中でも好みのものを集めてみました。
石塔寺三重塔(滋賀県東近江市)
為因寺宝篋印塔(京都市右京区)
当麻北共同墓地五輪塔(奈良県葛城市)
廃少菩提寺多宝塔(滋賀県湖南市)
島八幡神社宝塔(滋賀県竜王町)
航海記念塔(京都府八幡市)
石塔は地味ですが、直接年代が刻まれているものもあり、時代を感じさせる文化財です。
群馬の笠塔婆や今治の五輪塔群、大分の宝塔など、今後ぜひ撮影したいと思います。