Monthly Web Magazine Sep. 2016
■ アメリカ人から見た日本 瀧山幸伸
8月末の10日間ほど、米国の友人家族を連れて西日本を廻ってきました。
8月の新着情報の最後の部分、富士山に始まって京都までの各地がその軌跡です。
先方夫婦の息子が大学に入ったので、家族最後の記念旅行だそうです。
当初は、バスツアーでも予約して、観光ガイドブックの定番、東京の築地市場、富士山、京都大阪、広島に行ってみたいといっていましたが、自然が好きな家族なので、「神秘的な候補地もあるけどどう?」と知らせました。
そうしたら、「こんないいところがあるならぜひ行きたい。任せるから行程づくりと宿の予約と運転お願いね」ということになりました。
夫は、「すべて任せるから」、とはいうものの、夫人は好奇心旺盛です。
川や海で泳ぎたい、船に乗りたい、サイクリングしたい、山登りしたい。寺の勤行に参加したい、お茶会に出たい、などなど盛りだくさんです。
事前作業は思っていたよりも大変で、あれこれ調整して、先方指定の富士山と広島原爆関連(息子にぜひ見せたかった)を含め、紀伊半島、奈良、高野山、四国、広島、山陰経由京都の旅の予定が出来上がりました。
宿は毎日変わり、毎日長時間車に乗るので大変です。
まあ、毎朝早く活動開始すれば大丈夫かな、と思いきや、旅が始まってみると、「朝はゆっくりさせてねー」
忙しい旅でしたが、天候には恵まれて周遊できたのは幸いです。
今回の旅で思ったのは、やはり文化の違いでした。文化を創り出す地理の違いと言っても良いでしょう。
アメリカ人だからということではなく、日本人があまり興味を持たないものを素晴らしいと思うようです。
例えば、単なる緑の山や川が素晴らしいと言います。
紀伊半島の険しい山に植林された木々は、とんでもなく素晴らしいそうです。段々畑や棚田、小さな滝にも感動します。
なにせ彼らが住んでいる南カリフォルニアは大干ばつが何年も続いていますから無理からぬことです。
もちろん私が推薦した霊地関連は目玉が飛び出るほど感動していました。
高野山の奥ノ院や宿坊、三徳山投入堂も非日常の世界なのでいたく気に入っていました。
日本酒好きの夫は酒蔵見学に大喜びでした。
スケートボード好きの息子は、せっかく持参したボードを使えるようななめらかな舗装が少なく、残念がっていました。
宿と食事に関しては、あちらでも日本ブームのようで、和食大好き、温泉大好きです。
でも、高級旅館で白いご飯に醤油をぶっかけて食べるのはやめてほしかったかな。
「正式な席では絶対やるなよ!」と毎回言ったのに、醤油かけごはんをやめませんでした。そんなにおいしいのかなあ?
最後の夕食は英語を話せる舞妓さんを呼んで一緒にわいわい。目線やしぐさが素晴らしいと、誉めまくりです。先方も当方も、ご婦人方が特に喜んでいました。