JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine Apr. 2017

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■ 撮影禁止のことなど 大野木康夫

文化財建造物の写真を撮っていると、撮影できない建物が少なからずあり、また、最近は増加傾向にあります。

最近、同好の方の間で境内撮影禁止で有名な岐阜県関市の新長谷寺を訪れました。

新長谷寺では境内入り口付近に、修行の場につき境内は撮影禁止である旨を明記されており、「施設管理権」に基づく禁止措置の要件を備えていると考えられます。

「施設管理権」は法令の明文の規定に基づく権利ではありませんが、判例により確立された権利であり、従う必要があると考えますので、参拝時にはカメラを持たずに行き、撮影は安桜山、観音山及び周囲の道路上から行いました。

     

私が住む京都でも、賀茂別雷神社と賀茂御祖神社の本殿、大徳寺本坊などは撮影禁止となっています。

多くは宗教上の理由(建物も信仰の対象)ですが、マナーの悪化、建物の保全なども理由とされています。

そんな中、外国人観光客の増加などにより、撮影禁止の徹底が難しくなっているということも耳にします。

醍醐寺三宝院の殿舎は、玄関を入れば撮影禁止ということで管理されていましたが、4月9日、太閤花見行列の日に訪問したところ、庭園に限り撮影が可能となっていました。

溢れるばかりの参拝者の中で、撮影禁止を徹底することが難しくなっていることが影響しているのかもしれませんが、少し得をしたような気持となりました。

    

満開少し過ぎたくらいの桜も、見ごたえがありました。