JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine July 2017

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■ 遠隔撮影は難しい… 大野木康夫

私が卒業した高校の研修旅行(修学旅行)は昔からずっと北海道に行くことになっていますが、同じ高校に通う高校2年生の息子も6月中旬に研修旅行に行きました。

行く前に、カメラを貸してほしいと言ってきたので、かさばらないFUJI-XF1(RAW撮影ができるコンデジ)を渡したついでに、札幌の1日自由研修の予定を聞いたら、豊平館(重要文化財)に行くと言ったので、「それなら豊平館の隣の日本庭園にある八窓庵という茶室(重要文化財)の写真を撮ってきてほしい。「忘筌」という額の方から撮影してね。」と頼みました。

私の頃は、京都を朝10時代の特急「白鳥」に乗って青森到着が夜中、そのまま青函連絡船で函館に行って、早朝の特急「おおぞら」で道東に向かうことになっていたのですが、丁度私たちの年、新潟県での集中豪雨により「白鳥」がおよそ10時間、坂町駅で立ち往生し、日程に大幅な狂いが生じたため、翌年から飛行機で行くことになりました。

当然、息子たちも飛行機です。

私たちの年は、行程の遅れから網走からの班別研修(知床、野付、サロマ湖)が中止されてしまいましたが、息子は好天に恵まれ、知床の班別研修を楽しんだようです。

    

文化財建造物では、博物館網走監獄に行ったようで、二見ケ岡農場の庁舎が博物館内に移築されていることを気付かせてくれました。

重文建造物リストを訂正する必要があります。

     

ここからは私の年とほぼ同じ道東ゴールデンコース(美幌峠、摩周湖、砂湯など)ですが、摩周湖はこの時期だいたい晴れていて真っ青な眺めになるのは御愛嬌かと思います。

  

さて、1日移動日の後が札幌の1日自由行動ですが、私の年には旅行中の素行上の問題で、外出禁止のうえ反省文を書かされていた生徒もいたのですが、息子たちはそのようなこともなく、全員が外出できたようです。

しかし、この日だけが雨になってしまい、レンタサイクルで札幌市内を回る息子の班は予定を短縮せざるを得なかったようです。

(北大農学部、時計台などを割愛したようです。)

北海道庁旧本庁舎(重要文化財)

豊平館(重要文化財)

さて、撮影を依頼した八窓庵(旧舎那院忘筌)ですが、雨が激しい中、律儀に訪問してくれました。

息子曰く、「「忘筌」の額がわからなかったので、正面と裏とを撮っておいた。」ということでしたが、画像を確認すると、わずかに端に写っていますが正面から撮影したものはなかったので、またの機会に再訪問することになるかと思います。

 

私のときは、最終日は小樽10時発のフェリーで船中1泊、翌日夕方に敦賀港に到着し、バスで京都に帰りましたが、今は当然飛行機で帰ります。

今回、私の企みはあまりうまくいきませんでしたが、私たちが今そうであるように、年を取ってから同窓会などで、6日間を一緒に過ごした友達との楽しい(本人は旅行中の出来事を楽しそうに話してくれたので楽しかったと思います。)思い出で盛り上がることができればいいと思います。