JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine Aug. 2017

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■ 日光東照宮 陽明門  川村由幸

44年ぶりに修復され、3/10に竣工した日光東照宮陽明門を撮影してきました。

とは言っても、那須でゴルフをして湯西川温泉で温泉と宴会を堪能した後、立ち寄った日光です。

ついでではありましたが、修復完了ということで当初から寄るつもりではあったのです。

   

残念ながら雨降りでした。寛永時代の極彩色に戻っているのですが、太陽がないとどうしてもくすんで見えてしまいます。

それでも細部を見れば、その色彩の鮮やかさは鮮明です。

   

ただ、今回の修復には批判もあるようです。特に三猿の彩色が以前に比べ稚拙にみえるとの意見が多いようです。

修復によって彫刻の表情に変化が発生することはままあることでしょう。前回修復の44年前の職人がそのまま揃いませんから必然と言えば、必然でしょう。

  

上の左が修復後、右が修復前です。いかがでしょうか、やはり左は子供の書いた絵のような印象がありますかね。

ただ、貴重な文化財を未来に残してゆくためには、修繕・修復は避けて通れません。

職人は後継者不足があるのでしょうから、才能のあるものを選別なんてできず、伝承するという人に引き継ぐのみなのでしょうね。職人の技量を保つことさえ困難な時代なのだと思います。

次の修復では、良い表情の三猿となるように祈るばかりです。

ところで、左の画像は2010年に私が撮影し、Japan GeographicにUPしていたものです。こうゆう比較もJapan Geographicのおかげで簡単にできます。

Japan Geographicの価値を又再認識しました。