JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine Oct. 2017

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■大津祭  大野木康夫

物心ついたとき、私の地元の京都・山科の秋祭は10月10日の体育の日、大津祭と伏見御香宮の祭も同じ日だったので、大津祭は見たことがありませんでした。

体育の日が10月の第二土曜となったときに、山科祭と大津祭の日程がずれたのですが、仕事や子供の行事などで多忙で、大津祭はずっと見ていませんでした。

そうこうするうちに、昨年、大津祭は国の重要無形民俗文化財に指定されたので、ぜひとも見物したいと思い、今年、ようやく宵宮と本祭を見ることができました。

宵宮

夕食後に家内と見物しました。

家から天孫神社まではJRを使って20分ほどです。

13の山を全部見ようと欲張って2時間かけて回りました。

提灯の赤い光に照らされた山は幻想的で、素朴で荒々しいような囃子もいい雰囲気でした。

西行桜狸山

神功皇后山

湯立山

猩々山

龍門滝山

西宮蛭子山

殺生石山

西王母山

孔明祈水山

石橋山

月宮殿山

源氏山

郭巨山

からくりも会所などに飾られています。

  

本祭は午前中が比較的空いているということでしたので、朝から行きました。

大津駅前の中央通では、各山が天孫神社前に集合するのが見られました。

山は比較的小型で、辻を曲がるときは、前輪を数人で持ち上げて回ります。

長らく女人禁制でしたが、近年になって引手は女性が参加できるようになったということです。

    

天孫神社前に並ぶ13基の山

   

巡行を見るポイントは、所望(しょうもう)と呼ばれる「からくり」の披露場所になります。

最初の所望の場所である天孫神社の鳥居前で見ることにしました。

この場所は、おそらく最も狭いところを山が通る場所ですが、ロープなどは何も張られておらず、近くで見ることができます。

この近さが大津祭の魅力の一つだと思います。

     

途中で、ちまきを投げるところも見たくなり、元堅田町の所望場所に移動しました。

各山は、辻を曲がってすぐの所望場所で止まってからくりを披露し、ちまきを撒いて西に巡行していきます。

              

昼までで見物を終えましたが、十分堪能できたと思います。

動画を撮っているところにちまきが飛んできてちょっと大変なことになったのもいい思い出です。

来週は山科祭、老骨に鞭打って田舎神輿の巡行に参加します。

(写真は2016年)

 

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