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Monthly Web Magazine Jan. 2018

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■ 着物 蒲池眞佐子

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

お正月には着物を着られた方も多いと思います。着物アドバイザーをやっている私としてはうれしい時期。そこでちょっと着物の話を。

全日本きもの振興会が11月15日をきものの日としていることをご存じの方は少ないでしょう。会員団体を中心に全国各地のきもの業界関係者や省庁や地方公共団体と連携して、全国をきもの姿で溢れさせ、全国一大イベントとなるよう活動しているようです。

全日本きもの振興会によると、きものの日を制定することになったいきさつは昭和39年の東京オリンピックに、東京を訪れた世界各国の人々から「日本の民族衣裳は"きもの"だと思っていたが、きもの姿をほとんど見かけないのは何故か」との声を受けて、本会のシンボルとなる日を制定すべく、11月15日を"きものの日"と制定し、以来、きものの普及と振興を図ってきたとのこと。

全日本きもの振興会はきものに関係する業界の総意により昭和41年に発足し、昭和44年2月通商産業省(現経済産業省)により公益法人に認可され、平成25年4月一般社団法人に移行したものです。

現在では着物=晴れ着となっていますが、じつはその晴れ着の方が普段着のものより安かったりするのです。

国指定文化財の工芸技術、染色には21のものが認定されていますが、普段着のために作られたものが数多くあがっています。車1台買えるぐらいになってしまったものも多くあります。

着る人が少なくなり、作る人が減り、高齢化が進み、さらに高額になり、結局廃業される織元も多く見受けられます。

ホンジャマカの恵さんの実家も恵織物というすばらしい大島紬を作られる織元さんですが、恵さんが他業界で活躍されてますので、後継者がおらず、織元を閉じられるとのこと。

本当に残念です。記念に一つ購入を、とも考えましたが、すばらしい物ばかり作られるので、お値段が・・・

着物の歴史は弥生時代からありますが、デザインも変わってきています。

昭和の着物と現在の着物ではまたデザインも違います。親が嫁入りに持たせてくれた、という着物をお持ちの方も多いでしょうが、嫁入り時からの体系も違うでしょうし、似合う色も違えばデザインも柄も違っています。

着物を無くさないためにも織元さんが頑張れるよう、着物を着て欲しいものです。

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