JAPAN GEOGRAPHIC
Monthly Web Magazine Feb. 2018
■ 川崎観音 蒲池眞佐子
山口県周南市
交通機関を使って徒歩でおっぱい観音と言われる川崎観音に行ってみることにした。
徒歩ではカメラはもちろん、水筒、スマホの充電器は必須、結構な重量になり、荷物を担ぐのが一番楽なので、カメラ用のリュックを購入し、愛用している。
ただ、私の小さめの体に対して大きいらしく、よく「どこから来たの?」とおじさま方に声を掛けられる。
目的の川崎観音はネットでは駅から徒歩20分とあった。
メジャーでない文化財はほとんど案内版などない。
あらかじめ調べた道を進んでいくが、結局迷い、スマホマップに頼る。
遠くに目的の観音を発見、ところが、高台の上で、前には国道が通っている。
とにかくその方向へ歩く。ところが、突き当りは駐車場、がーんとショックを受けていると、その先に歩道のようなものが。
何かがありそうなので、ちょっと行ってみると、国道の下に階段を発見。
ガードレールが光り輝いて導いて後光がさしているようにも見えてしまう。
川崎観音は安産とお乳の観音様として有名で、安産祈願、水子供養、先祖供養などをすることができる。
また、平氏の悪七兵衛景清が軍船に乗って西海に下る途中、暴風を避けて黒髪島に数日滞在した際、夢に観音のお告げがあり、「我をさる山にある寺に案ぜよ」とのことであったため、この万福寺(明治5年に廃寺)が夢中で見た山容と似ていたため、当地に安置したとのこと。観音堂はそのまま現在地に残されたらしい。
平景清の担いだ大石や目洗いの井戸などが現在も残っている。
裏手に回るとたくさんのお乳の形をした絵馬が奉納されている。
どれも手作りで、毛糸で編んだものもある。どれも思いがこもっている。
三十三観音参道を登ると、聖観音と三十三観音が表れる。みなお顔が違って微笑ましい。
音羽の瀧は水が流れていなかったが、近くの木彫りの観音も子供を抱いていた。
来る途中、スマホの充電もすっかり使い切ってしまったため、来た道を忠実に戻って帰ることになった。
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