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Monthly Web Magazine Apr. 2018

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■ 「言葉のあぶく」その4  野崎順次

15年くらい前から、おもしろかった話や、ふと思いついたことをメモしています。

散髪屋に髪の薄い老人が来て「散髪の時期は鼻毛の長さで決める。」と話していた。すると、散髪屋さんは、「ええ鼻毛切りありまっせ。」といっていた。なにやら、噛み合わぬ会話である。

晩白柚(ばんぺいゆ)は世界最大の柑橘類で、その厚い皮はいい匂いがする。我が家ではお風呂に入れて楽しんでいる。その話を海南島出身の中国人にすると、向こうでは汲み取り便所の臭い消しに使うそうな。

京都六地蔵の焼肉屋の名前が「肉十八(にくじゅうはち)」。

和泉市北信太駅近くのパチンコ店の名前が「デルパチーノ」。もちろん有名な米人俳優の名前「アルパチーノ」のもじりである。

第2ビルのエレベーターに乗ると5歳くらいの女の子と背の高いお父さんの外人(白人)の親子。日本語で会話してる。

女の子「なんがい?」

父さん「B2(びーに)」

日本人なら逆に「ビーツー」というだろう。

2015年3月頃、松尾貴志のお初天神瓢亭取材で、「(テレビ番組)スタッフからの要望で」といわれて、「スタッフ要望あります。」と叫んだ。これは小保方さんの有名な発言「STAP細胞あります。」のもじりである。

母がまだ生きていたころ、日本語のたどたどしい中国人マッサージ師との会話

「俺のお母さんは95歳や。」

「何回忌?」

「死んでない。まだ生きてる。」

「長生きと云ったのよ。」

取引先の塗装職人さんから電話が入り、「○○工業のコマキネさんに資料をファクスしてください。先日の訪問時に名刺交換してる筈ですから。」という。名前が正確に聴き取れていなかったので「コマネチみたいやな。」というと、知らない間に電話の向こうで本人と入れ替わっていて、「まだ名刺交換してません。コマキネです。将棋の駒に木材の木と根っこ。」というのでびっくりした。なーんだ、職人さんは本人の前で電話していたのか。「コマネチ」といったのが聞こえたかなあ。

大阪駅近くのちょっと洒落た割烹は、いい日本酒を揃えているのが自慢らしい。その入り口に「飲酒されての入店、お断り致します」との札が下がっている。素面で来て、よい酒を存分に味わってくれとの意味らしいが、生意気である。以前にランチを食べたことがあるが、何の工夫もない素人料理だったので、その後行っていない。

姫路の居酒屋で、

「おばちゃん、酒1本持ってきて。」

「おばちゃんなんておらへんで。」

「お姉さん、酒1本。」

「はーーーい!」

子供のころ、和服のおばあさんが自転車の三角漕ぎをしているのを見たことがある。

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