JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine May 2018

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■ 今年の桜 川村由幸

今年は当初4/22-23で予定していた福島の観桜を一週間前に倒してもすでに滝桜は葉桜でした。

異常気象と言っても過言でないの春先の暖かさで平年に比べ10日以上桜が早かったようです。

桜は冬の厳しい寒さのあとの春の暖かさで開花するようで、冬の平均気温がどんどん高くなってゆくといずれ開花しなくなるという危惧さえ持たれているようです。

日本人の私には桜の咲かない春など春ではないのです。

そんな危機感を感じながらも、福島の桜を楽しんできました。

滝桜は葉桜で訪問しませんでしたが、近くの紅枝垂れ地蔵桜と不動桜はギリギリで楽しめました。

 

この二本は郡山市にあり、そこそこ名高い桜で観桜客が多数見受けられました。

散り際の桜も風情豊かなものと満開時にはないわびさびを感じてきました。

この時期、三春町・本宮市の桜はほとんどが葉桜で二本松市の合戦場のしだれ桜と愛蔵寺の護摩桜が満開との情報でそこに向かいました。

  

右端の画像は2015年のものですが、真ん中の今年のものと比べると分るように枝が一本なくなったようです。

桜も生き物、風で枝がダメージを受けることもあるでしょう。ただ、勢いを失うような変化はやはり寂しいものです。

愛蔵寺の護摩桜は今回初めて訪問しました。

  

樹勢にチョッピリ翳りを感じますが、幹にはまさに年輪が感じられ風格のある桜でした。

ここまで来ると観桜の客も少なく静かに風情を楽しむことができました。

そして今年の最大の収穫は田村市の桜を知ったことでした。最初に尋ねたのが松岳寺のしだれ桜。

  

花の色も濃く、みごとな桜です。こんな桜があまり知られていないはなぜなんでしょう。

墓参りの地元の方はいましたが、観桜の客など全くいませんでした。

翌日、最初に尋ねたのが是哉寺の地蔵桜。エドヒカンの巨木です。

  

まさに満開、この桜も全く知りませんでした。松岳寺のしだれ桜より一回り大きく見えます。

青い空に桜が映え、350年間、人を楽しませて来た樹木の風格を感じます。

他にも永泉寺のサクラ、大雷神社のしだれ桜を廻りました。永泉寺のサクラは知られている桜で撮影のカメラ愛好家であふれていました。

 

大雷神社のしだれ桜も人が一緒に写っていて、その大きさが想像できると思います。姿の良い桜です。

重要なことは、田村市の桜は周辺の市町村の桜が葉桜でも、見頃だということです。

標高が高いのでしょうか、このタイムラグは大変に重要です。

滝桜を見逃しても、田村市に行けば見事な桜を見ることが出来るのです。

今年、田村市の桜をすべて訪ねたわけではありません。来年は福島で二回観桜が出来そうです。

そんなことを思いながら、最後に夏井千本桜を訪ねて帰路につきました。

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