JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine June 2018

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■  植物園で薔薇を眺める 田中康平

福岡市に住むようになって時々市の植物園に行く。昔は平尾浄水場といっていた一帯で環境が良く小山になっていて植物が多彩で野鳥の渡りの季節にはいろいろな鳥が現れるということもある。

動物園とも繋がっていて動植物園となっており土日はすぐに駐車場が満杯になってしまう。土日はとてもたどり着けない。

平日に訪れることばかりだが近頃は平日も駐車場がすぐに満になったりもする、バスだ。

福岡市近隣の小学校や幼稚園の格好の訪問場所となっているようで老人介護施設のミニバスもよくあらわれる。

子供も高齢者も入園料は無料ということもあるのだろう。そのうちバスで行くか歩いていくかはたまた自転車でということになってしまうかもしれない。

どのみちクルマに乗れなくなる年齢というものが何時かは来てしまうのだから時間の問題といえばそうだけれども。

ひと月ほど前は花というより渡りすぎていく野鳥を期待して出向いていたがこの季節はバラ苑がいい。

薔薇は品種の一つ一つに歴史がありダイアナ・プリンセス・オブ・ウェールズ等々思いのつまった名前が付けられている、それを見ていくのも楽しいがほとんど覚えられない。

香りと彩とバラエティー、それだけで十分すぎる。

5月の風に吹かれて日陰のベンチで薔薇を眺めながらのんびりとした午前を過ごす、この優雅な心地がいい。

                 

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