JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine Oct. 2018

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大阪・御堂筋 銀杏並木  中山辰夫

9月中ごろ過ぎに、突然「ギックリ腰」に見舞われ苦しみました。そのため家に閉じこもりでした。治まった10月初め、久しぶりに大阪へ行きました。

21号から始まり24号、25号と続いた台風、全国に被害を及ぼしました。大阪空港などの被害は別として、被害状況は地方紙で知るしかないので全国の様子は分かりませんが、各地それぞれ大変と伺っております。

大阪御堂筋の銀杏も被害に遭いました。幅員44m、梅田〜難波間約4㎞に合計900本近い本数の銀杏が歩道の両側に植えられており、その並木の景観は素晴らしく、大阪のシンボルとされ、市の文化財にも指定されています。

ここの銀杏も台風21号の強風で81本が倒木や幹折れの被害を受けたと報道されました。訪れた際は後始末も終わり、歯抜けを認めるだけでした。

    

元の景観に戻るには少なくとも20年程度かかる見通しといわれています。この「大阪のシンボル」のピンチに、費用負担を申し出る企業も現れたようです。

毎年11月中旬にはギンナンが無料で配布され喜ばれていますが、反面ニオイの問題が出ています。復旧の機会にこの点も工夫されるようです。

  

御堂筋は平成29年5月に完成後80周年を迎えます。その名前は、北御堂(西本願寺津村別院)と南御堂(東本願寺難波別院)の二つの寺院が沿道にあることに由来しています。

 

当方が住む滋賀県でも国宝・彦根城や善水寺、その他文化財の屋根や漆喰の損傷などが多く発生、しかも全県隈なく出ております。

台風や大雨の際、避難勧告や避難指示が頻繁に出る特定地域が高島市、長浜市に集中しています。度々訪問した所も多いです。

これらの地域では文化財、特に多くの仏像が無住の小堂で地域の人々に護られ約1000年を経ています。仏教普及の経過から、山の頂上や中腹に建つお寺も多く含まれます。

ところが住民の老齢化や若手の土地離れでお世話が難しくなってきております。山腹のお堂から仏像を移住させる件や世話人の確保、経済面、その他課題が山済み‐十数世帯から100世帯までの集落が多く限界に来ています。そうした中、さらに天災が加わるとなると今後はどう進むかと・・心配で気がはやります。

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