JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine Nov. 2018

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小栗山木喰観音堂 川村由幸

ここには五年前だったか佐渡に行くついでに立ち寄ったと記憶しています。

もちろんその時も御開帳の日ではなく、事前に連絡をして伺いました。

今回は約束の時間に余裕があり、近くの闘牛場にも立ち寄りました。

   

小千谷市の牛の角突きは重要無形民俗文化財にも指定されている伝統ある行事のようで、月に一度開催されます。

この日は開催日ではなく、静かな闘牛場でした。

岩の画像、牛に見えませんか、中越地震までは今のように二つに割れていなかった由、地震で割れて闘牛の

守り神に見えるようになったと説明書きにありました。そうです、この辺は中越地震の被害が大きかった地域でした。

木喰仏、皆さんご存知ありませんよね。私も五年前までは全く知りませんでした。

京都・奈良の伝統的な仏教彫刻とも、比較的近い存在と思える円空仏とも違います。

   

不思議な微笑みをたたえた限りなく優しく見える仏様です。

このお堂は今、20数件の地域住民の手で守られているとの事、説明の来てくださった方はこの地区の総代の方でした。

     

この小さな観音堂に35体もの木喰仏が200年以上も前から現在まで守られてきたことにまず感動しました。

やさしい仏様に手を合わせてその一つ一つの表情に触れるとこちらまで優しくそしてとても静かな気持ちになれます。

私は二度目の訪問でしたが、その感動は一度目と全く変わりありませんでした。

木喰さんに感謝。

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