JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine Jan. 2019

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■ 2019年新年を迎える 田中康平

2019年はどんな年になるだろうか。考え始めても頭が回らない、1歳だけ歳をとることだけは確実だ。

最近は大晦日に終いの日の入りを眺めるように心している。確実に終わっていく時の動きが目でみられるからだろうか初日の出を見るよりも感じるところが多い気がしている。わざわざ遠くまで出かける訳ではなくて近くの少し西の空が開けたところで眺めている。なかなかいい。太陽に向かって有難う、ご苦労様でしたとつぶやいてしまう。

 

年が明けると勿論のように初日の出も近くで眺めている。今年は出遅れて住宅街の上に出たところをかろうじて見た。その分感慨が薄い。明けてくる新年という概念にあまり魅力を感じなくなってきたからだろうか。冥途への一里塚という方がしっくりくるようになったからだろうか。

 

買い物ばかりのおせちを食べて赤酒のお屠蘇を飲んで雑煮を食べて年賀状を見てといつもの繰り返しのような、それでも勿論毎回新たな正月が過ぎていく。今年は年末にやってきた息子達家族の半分が元旦まで居残っていたがそれも早々に引き上げて午後は静かな正月に戻った。

初詣は正月2日と3日に出かけた。これも近くばかりだ。毎年訪れている安徳天皇ゆかりの御子神社ともう一つは片江阿蘇神社とした。

  

この他に穴観音と大濠公園の鳥見ついでに護国神社にも詣でて今年も形なりに3社1寺参りとした。このくらい回らないと正月という気がしてこない。

  

片江阿蘇神社は福岡市城南区片江にあって、あの地震で重要文化財の楼門が壊れた阿蘇神社ゆかりの神社ではあるが正式な末社ではない。南北朝時代に筑後川の合戦に勝利しこの辺り一帯を南朝側として一時支配した菊池氏が建立したのではないかと伝えられているようだ。

どうにも九州の歴史では南北朝の争いのあたりが謎も多く歴史としては面白いようではある。

今年はどんな年になるだろうか、平和な平成が終わり争いの時代に入っていく入口の年になるのかもしれない。こちらは面白がってはいられない。

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