JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine Feb. 2019

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■ アルミニュームアート 「朱甲舞」 清水九兵衛(きよみずきゅうべ)作 中山辰夫

22年前の1997(平成9)年に平安遷都1200年記念事業としてリニューアルされたJR京都駅。

古都京都の玄関口として海外からの旅行者で活況を呈しています。

鉄骨やアルミパネル、ガラスで覆われた近代建築の構造は外人客にも関心がもたれているようです。

 

踊り場となっている四階の「室町小路広場」に、「朱甲舞」と名付けられ高さ約6mの朱色のモニュメントが据付けてあります。

    

朱色を基調に、鎧で装った舞人をイメージしていると解説にありました。

類似の作品は今までに出合ったことがありましたが詳しくは知りませんでした。

京都センタービル タイトル:「CONNECTION」

  

京都文化博物館 タイトル:「朱装」

  

京都勧業会館 タイトル:「朱鳥舞」

京都美術館(改装中)タイトル:「朱態」・島根県立美術館 タイトル:「語り合い」

 

これらは清水九兵衛氏(1922-2006)の作品です。

同氏は伝統的な京焼の名家として知られる清水六兵衛(七代)を襲名しましたが、彫刻へ指向を向け、日本における抽象彫刻の第一人者となり数々の作品を発表、世界的にも高い評価を得ました。 

野外展示の大型モニュメントを得意とする同氏は、耐食性・加工性を追い求めアルミニウムに着目、作品群の大部分にアルミ素材を使用しています。

また、平安京の社寺を彩った「朱色」を好んで用い、瓦からイメージされる湾曲した薄板風をさまざまな形に展開し、インパクトの度合いを高めたとされています。

他には、静岡県立美術館、武蔵丘陵森林公園、宇部公園緑地、その他で見られます。

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