JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine May 2019

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■ 平成最後の…  大野木康夫

平成最後の撮影は4月28日、大峰奥駆け道の玄関口、前鬼を選びました。

まだヒルが出ない気候だったので、いつか行きたいと思っていた三重(みかさね)の滝を目指すことにしました。

前鬼林道の奥の駐車場から出発しました。

林道を登りながら、奥駆け道の山々や緑の渓谷を撮影しました。

       

奥駆け道の案内板

 

前鬼の集落は、役行者の従者である前鬼・後鬼の夫婦の鬼の5人の子の子孫である五家(五鬼継、五鬼熊、五鬼上、五鬼助、五鬼童)が代々宿坊を続けていましたが、今は五鬼助家の小仲坊のみが残っています。

小仲坊と宿坊址

    

小仲坊の東から三重の滝を目指しました。

道ははっきりしており、あまり激しい上り坂はありませんが、幅が狭く、慎重に進みました。

 

最高点の閼伽坂峠(小仲坊から900m)

 

900mの急な下り坂

    

前鬼川の淵、垢離取場(こりとりば)

行者が禊をした場所で、台風で砂利が流されて膝くらいの深さになったということでしたが、実際には相当深かったので、渡渉を断念し、下流の細くなっているところで岩伝いに渡りました。

   

ここからの歩道は残り500mなのですが、少しわかりづらいところや、倒木などもあり、意外に時間がかかりました。

     

急なハシゴを下れば三重の滝です。

 

三重の滝は3段に分かれており、上から馬頭の滝(落差45m)、千手の滝(落差50m)、不動の滝(落差60m)となっています。

不動の滝

足がすくむような落ち口

 

千手の滝

水量も申し分なく、見事な姿をしばらく呆然と眺めていました。

   

千手の滝から馬頭の滝に行く道は、厳しい行場となっているようで、道中の狭い道で落ちないように無駄に力を入れて歩いた身にはきつすぎるため、断念しました。

行場の一つ屏風の横駆け

 

千手の滝の右手にある胎蔵界窟

 

胎蔵界窟付近から見た千手の滝

  

この日は帰りの時間制限があったので、無理をせず、千手の滝だけの訪問となりましたが、十分満足できました。

勝手がわかってきたので、今後は馬頭の滝や、奥駆け道など、あと何回か訪問するつもりです。

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