Monthly Web Magazine Aug. 2019
■ 鳥海山のあがりこ女王と鳥海マリモ 瀧山幸伸
鳥海山の北側に位置する獅子ケ鼻湿原はいつ訪問しても期待を裏切らない。
駐車場から進むと、「あがりこ大王」ほか日本有数のブナの奇木が林立する。
あがりこは、冬季の積雪時に炭焼き用として地上2,3mで伐採した後のヒコバエによる独特の景観で、自然景観というよりは人の手によって形成された文化的景観だ。
今回訪問したら、「あがりこ女王」なる木への遊歩道が追加されていた。大王と同様、見ごたえのある巨木だ。
獅子ケ鼻湿原は、鳥海山の伏流水が「出壺」という泉から大量に噴き出して形成されるもので、年中水温が7度ほどで強酸性、アルミニウムイオンを含む。
一帯には特殊な苔類が鳥海マリモと呼ばれる球状に生育している。
今回の訪問は夏の盛りだったため周囲の気温と湿度が高く、それが冷たい水に冷やされて一面に霧が発生していた。
冷気に癒されながらなんとも幻想的な光景を愉しむことができた。
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