JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine Sep. 2019

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白神山地の十二湖 瀧山幸伸

白神山地は海底の堆積物が隆起して形成されたため地盤がもろく、十二湖の背後にそびえる白神岳も、十二湖の海側に位置する日本キャニオンも崩壊が激しい。

十二湖は、江戸時代の宝永元年(1704年)の大地震で大崩落が起き、沢がせき止められて形成されたといわれている。

 

十二湖はどの季節でも楽しめる。青い不思議な色の青池など、湖水の美しさはもちろんのこと、森の中に点在するので風が少なく、水面が鏡のような風景を愉しむことができる。

     

ブナを中心とした植生の美しさ、その豊かな植生がもたらす野鳥や、カモシカ、クマ、サルなどの動物たちに出会うことも楽しい。春にはイチゲやニリンソウなどの花が咲き乱れ、夏にはブナの緑、秋には紅葉が美しく、森を歩けばブナやメープルの甘い香りに包まれ、四季を通じて野鳥の声に癒される。

      

さらに良いことに、平坦な高原なのでトレッキングは安全で快適、一日かければほぼ全ての湖を訪問することができる。

このように素晴らしい環境が残っていることに感謝したい。

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