JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine Nov. 2019

Back number


■ 失敗の連鎖  川村由幸

十月の上旬に友人夫婦と六名で長野県の「千畳敷カール-御射鹿池-上高地」へ車ででかけました。

私は元々日常生活ではメガネを使用することはなく、車の運転に必要なだけのメガネ使用者なんです。

常にメガネをお使いの方々と比べるとメガネの扱いが雑というか、いいかげんというか、なんと、最初の訪問地の千畳敷カールでメガネを紛失してしまったのです。

旅行先でのメガネ紛失事件はこれで二回目、前回は鵜飼見物の木曽川に落としたことはこのウェブマガジンで報告済かと思います。

従って、これ以降は車の運転は出来ず、今回は友人が同行していましたから事なきを得ましたが迷惑この上もなく、激しく自己嫌悪に陥りました。

これで済めばまだ良かったのです。さらに続きがあります。

当然、紛失したメガネを探しました。バタバタとあちこちと動き回っている内にカメラのISO感度の設定が変更されてしまっていたのでした。

ISO感度65535、これでメガネ紛失以降、気が付かないまま最後の上高地まで撮影を続けてしまいました。

気が付いたのは、帰宅して画像をPCに取り込み、画像を確認した時でした。

 

この千畳敷カールの画像はISO AUTOで通常に美しい画像が撮影できています。

御射鹿池と上高地の画像は日本画の朦朧体のようで輪郭がぼやけています。

もちろん、RAWから現像する時にLRのディテールを使ってノイズ除去をしたのですが、JGにアップする品質になりませんでした。

サムネイルの画像ではあまり目立ちませんが、本来のサイズで見ると目も当てられません。

ここ最近、文化財の撮影に出かける機会が極端に減少していて、このような旅行は貴重な撮影チャンスなんです。

それを、自身の不注意で台無しにしてしまいました。

失敗の上にさらに失敗を積み重ねるという、失態と言える状況にはただ呆れるばかりです。

 All rights reserved 無断転用禁止 登録ユーザ募集中