JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine Jan. 2020

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■ 桜町陣屋跡 柴田由紀江

茅葺き屋根の修繕作業に出くわしました。茅葺き屋根は軒下から天井まで竹を並べ、それに渡した横桟に茅を刺して竹に結び付けるという造りだと教えて貰いました。職人さんに訊いたらやはり茅葺屋根はとても維持費がかかるそうです。

「昔は茅葺の家は20年ごとに屋根を葺き替えるから、近所の人たちがそこいらでカヤを取ってきて集まってくれて、みんなやり方を知っているから監督も要らずにせっせと作業してあっという間に出来上がった。その人たちはもう亡くなって、今は技術を持った職人は80代の人達で人数も少ないよね。材料の茅も専門業者から買い受ける。ここの工事の茅は富士山のふもとの御殿場から仕入れている。上半分やるだけで500万円以上かかる。これを20年に一度繰り返すわけだから、よほど財力がないと維持出来ないよね。」

  

 

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