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Monthly Web Magazine Feb. 2020

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■ すがぬけの輪 蒲池眞佐子

山口県の古熊神社では2月3日の開運厄除星祭、節分祭で「すがぬけの輪」が設置された。 夏越の祓、年越しの祓を象徴する行事の、6月、12月に設置される「茅の輪」だと思っていた。それが節分の日に設置されるのが不思議だなと思っていた。

古熊神社のホームページによると、

厄年の方の厄祓い、そしてご家庭の厄除である星祭(ほしまつり)を行います。当社は古くより市内でも有数の「厄除の神さま」として崇められ、朝早くから夜までご祈祷の方々は後を絶ちません。また、当社の古式として「すがぬけの輪」が設置されます。このすがぬけの輪は、節分の日にこれを八の字にくぐると一年の難を避ける、というものです。そして午後7時からは、年男・年女の方々による豆まき、お福分けとしてお餅まきが盛大に行われます

とのこと。古式のひとつだそうだ。

古熊神社は「山口の天神さま」として親しまれる神社、拝殿と本殿は国の重要文化財に指定されている。こちらは夏越の祓の頃に訪れた写真

                 

また、節分には山口ではクジラとイワシを食べる、ということは以前書いたが、地域ごとに違うのだろう。 なぜイワシなのか、を調べてみると、語源が「弱し(よわし)」や「卑し(いやし)」といわれており、いわしを焼くとにおいが強く、節分に弱く、卑しく、臭いの強いいわしを食べることにより、体内の「陰の気を消す」という意味があるといわれているらしい。 2月3日は旧暦の大晦日、寒い時期に無病息災の儀式として栄養価の高いいわしを食べることが定着したという一説があった。 くじらを食する地域は山口だけらしいが、こちらも「大きく成長するように」「大きな幸せを願って」など、大きいものを食べると縁起がいいとされているかららしい。

今年もスーパーの鮮魚コーナーはクジラで埋め尽くされていた。

 

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