JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine Feb. 2020

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■ レンジャクが  田中康平

 レンジャクが今年も福岡市の大濠公園に来ているというので見に行った。大寒から立春の頃になるとここではほぼ毎年現れてくるようだ。 レンジャクは尾翼の先が黄色いキレンジャクと赤っぽいヒレンジャクがいて、極東地域でもやや南寄りにヒレンジャクが多い。ヒレンジャクは学名にBombycilla japonicaとjaponicaが入っているほどで、日本のレンジャクともいえる野鳥だ。

世界的に見ればキレンジャクが圧倒的に多く、ヒレンジャクは絶滅危惧種になりかけているくらいだが、西日本のバーダーの間ではキレンジャクが珍しがられる。 珍しい鳥というのは大抵がローカル基準の見方で、ある国で普通の鳥がよその国の人には珍しいということはしばしば起こる。例えばヒヨドリは世界的には日本周辺にしかおらず、この地にしかいない珍しい鳥ということになっているようだ。

鳥を見るのに珍しい鳥かという基準で見るのは少し空しい時がある。 この公園のレンジャクも殆どがヒレンジャクで、見に来ているバーダーから教わるとキレンジャクも1羽位が日によって見られることもあるようだ。ヤドリギの実がことのほかお気に入りといわれ、毎年ここに生えているヤドリギ目指してレンジャクは渡ってくるらしい。今年は30羽位いるようで数が多い。レンジャクは大きさもあって形も面白く、この鳥を見ると今年も冬鳥を楽しめたという気分にしてくれる。

庭の梅も見頃になってそろそろ春の足音が。 写真は順に 1-3.福岡市の今年のヒレンジャク、 4.奥日光のキレンジャク(2013.2)、庭の白梅

     

 

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