JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine May 2020

Back number


■ 家にばかりいる日々  田中康平


新型コロナ感染拡大を気にしてこのところ福岡の自宅及びその周辺数Km位の範囲に行動を留めていて、家に居る時間が殆どとなっている。
よくしたもので夏鳥の飛来の時期になってどうした加減かすぐ近くの公園にオオルリが現れた。こんなことは初めてだ。オオルリと”オオ”が付くだけあって、山の中で見るとそれ程でもないが近くに出没するとその大きさが目立つ。最初にちらと見た時は帰りそびれているシロハラかいな、と思ったが写した写真をよく見るとオオルリだ。何日かすると囀りも聞こえてきた。が、さすがにこの公園でペアリングはあり得ないと思ったか、その内姿が見えなくなった。近くの山の森に向かったのだろう。

自宅の庭では サクラ、クルメツツジ、ツツジ、サツキ、コデマリ、その他各種草花が次々に咲いて昆虫がやってくる。今年は雨が少ないためか梅の木にアブラムシとハダニが集団発生して不快な虫も元気がいい、しかし、この虫を食べに来る虫や鳥も結構いて、それを見るのも面白い。
初めて今年見つけた虫は、ちょっと綺麗なハムシ(leaf beatle)の一種とセボシジョウカイだ。毎年現れていたのかもしれないがコロナで家にばかりいるようになって見つけることが出来たような気がする。コロナもうんざりすることばかりでもない。
蝶では大きな黒いナガサキアゲハが4月の下旬に庭に現れた。この庭ではこれも初めてのような気がする。動きが鈍いところを見るとこの庭か或いは近くで羽化したばかりの様だ、ゆっくり写真も撮れる。他にナミアゲハやモンシロ、キチョウ等がが忙しく飛び回るがこちらは飛んでばかりで落ち着かなくて写真には撮れていない。

長丁場の戦いとなりそうだがこんな感じならまだまだ持ちこたえられる、そんな気がし始めている。秋になって冬鳥がまた来始めるころまでに終息すれば、それでいいか、と呑気に思う日々が続く。

写真は順に、すぐ近くの公園に現れたオオルリ、庭のツツジ、梅の木に来たアブラムシ、梅の木にきたハムシとセボシジョウカイ、庭の松の虫を捕るスズメ、庭に来たナガサキアゲハ

      

 

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