Monthly Web Magazine Aug. 2020
■ 言葉のあぶく、その7 野崎順次
3年前に隣に住む母が亡くなった。49日だったか、その家に孫二人泊まったら、夜中にごとごとと音がしたそうで、「あっ、おばあちゃんだ!」と思ったそうだ。おばあちゃんが大好きだったから、出てきて欲しがっていた。すると、息子が携帯で母の番号にかけて、般若心経を唱えたら、夜中の音がなくなった。孫二人はおばあちゃんに会えなくなったと怒った。
娘の幼いころの言い間違え集
おぞうすい (お雑煮)
気の毒屋 (紀国屋)
動物園で小さい従妹に「あれがフラメンコよ!」(フラミンゴ)
サザエのおじちゃん (定哉)
ミント (ミトンー指の開いていない手袋)
たけとみひでよし (とよとみひでよし)
体重計に二人で載ってどの位かと聞くと80度 ( 80kg)
食当たりで入院した母さんに「どうか冷静に」 (安静に)
家を塗り替えに来ていたペンキ屋の助手の少年のことを「あの人はアイドル?」(アルバイト)
俺の仕業さ (早業)
マッサカサマに割れる (マップタツ)
奈良のならまちをあるいていたら、マンションで「ディアコート奈良(DEARCOURT
NARA)」というのがあった。奈良ならやっぱり鹿(deer)でDEERCOURTだろう。
平安神宮の大きな赤い鳥居の近く、神宮道を歩いて見つけた看板、日本語なら「準備中」でまだ閉店だが、英語では「Welcome! Ready」で開店である。
英国の取引先が不得意なややこしい技術上の問題を話題にした時の返事。Please let me know if there’s any
information you think I might have that could be useful to you.
大阪梅田のビルB2に占い師が店を出している。よほど客が来ないのか、占い師本人が表に出て客引きをしていた。それにつられた客に「あなたには不幸がある」とか言えるんだろうか。
名古屋行きの近鉄特急が珍しく混んでいて、堺在住のおばはん(68歳)と隣り合わせになった。私はウオークマンに録音したトーク番組をイヤーホンで聞いているのに、無理やり話しかけてきた。しかもマスクなしである。「新型コロナでいろいろあれがあって困る。」とおっしゃる。あれとはなにか?しばらくしてやっと、「制限が」とおばはんが思い出した。固有名詞ではなく普通名詞を忘れるのはボケ具合がかなりである。いろいろなところに写真を撮りに行くというと、「あれ行きはった、三国のお墓?」。これで私は仁徳天皇陵とわかるから不思議である。天皇陵まで自転車ですぐの所に住んでおられるそう。
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