JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine Aug. 2020

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■ おばちゃんカメラマンが行く  コマクサで育つ天然記念物 ウスバキチョウ @大雪山赤岳 事務局

  

今回もまた、銀泉台(1520m)から大雪山赤岳(2078m)へ向かう。
毎度お決まりのコースだが、季節によってだいぶん様相が違う。
おばちゃんの足で登って1時間ほどで第一花園の雪渓(1630m)にたどり着く。
手前でイソツツジの群落が出迎えてくれるが、何度来ても眼下に広がる景色は感動ものだ。秋に真っ赤に紅葉していたナナカマドも白い花が満開で別物のようだ。
雪渓をいくつか超え(滑るので結構危険)、キバナシャクナゲやチングルマなど色とりどりの山野草を眺めながら駒草平(1840m)に到着。
殺風景なガレ場の中、ちょうど駒草が満開で、一見地味だがよく見ると美しい。さすが存在感のある「高山植物の女王」だ。
単調な登りから一気に開けた景色は登りの苦しさを忘れさせてくれる。
望遠レンズを構えているおじさんに遭遇する。聞けばウスバキチョウを撮るために朝から待っているそうだが、希少種でなかなか撮れないらしい。見られればいいぐらいのいい加減な気持ちで探していると、蝶もゆるいおばちゃんには気を許すのか、強風の中を風に乗って飛んできてくれた。とりあえずシャッターを切って撮影できたが、ラッキーだった。
ウスバキチョウは約11ケ月、卵の状態で越冬し、幼虫期間は3ケ月、さなぎで11ケ月、また越冬して丸2年で成虫になる珍しい蝶だ。
標高1700m以上の高山帯で、しかも駒草に産卵し、幼虫が駒草を食べることから、日本ではこの辺に分布が限定されるらしく国の天然記念物に指定されている。
普通の登山者の倍も時間をかけてお花畑を堪能したが、雪渓を滑り降りながらの下山は大変だった。

今月のニャンコ 

栃木県日光市 湯元の温泉街

人面猫参上、よろしく。



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Editor Yukinobu Takiyama

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