Monthly Web Magazine Nov. 2020
■ 霧の都 大野木康夫
京都府の亀岡盆地は、盆地の中央に保津川が流れており、秋から春にかけて「丹波霧」と呼ばれる濃い霧に覆われる日が多くなります。
私の家内は京都の下京の生まれですが、大学を出てしばらくの間、亀岡市内の高校に勤めていたことがあり、秋にはしばしばこの霧に逢って驚いたそうです。当時の山陰線(ディーゼル機関車が引っ張る客車)に乗って保津峡あたりから霧で真っ白になり、駅から高校に行く時に保津川を渡る時には前が見えなくなるような霧になっていることも多かったそうですが、生徒は慣れていて、無反応だったようです。
ロンドンが「霧の都」(実際は大気汚染によるスモッグだったという人もいますが…)と呼ばれていたのにあやかり、最近では亀岡市も「霧の都」を自称するようになりました。
近年、盆地の南に位置する竜ヶ尾山の亀岡カントリークラブ付近に「かめおか霧のテラス」を整備し、霧を上から見ることができるようにしています。
撮影に行った日は京都市内でも霧が出ているほどの日で、盆地の東側を流れる保津川付近で発生した霧が徐々に西の方に広がっていく様子を見ることができました。
山を下りて、盆地で霧がどう見えるのかを見てみたかったので、市内の神社を回りました。
鍬山神社
霧のテラスがある山の東麓に位置しています。
霧にかすむ中、紅葉が最盛期を迎えていました。
保津八幡宮
保津川付近は濃い霧に覆われており、保津大橋やサンガスタジアムも霧にかすんでいました。
八幡宮は保津川の左岸に位置しており、霧は薄く立ち込めている程度でした。
愛宕神社
東の山裾に位置しており、川霧はありませんでしたが、山肌に沿って霧が立ち込めていました。
出雲大神宮
盆地の北に位置しているのと、時間が遅くなっていたこともあり、霧は晴れており、山にうっすら残っている程度でした。
梅田神社
さらに北に位置しており、霧の影響はありませんでした。
霧の季節、亀岡では晴れた日の午前中は霧に覆われることが多いので、洗濯物を干すのが大変だそうです。
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