JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine Dec. 2020

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■ 持宝院庭園 野崎順次


私にとって倉敷市児島味野地区は晩年になってから縁ができた町である。当初、商店街はほとんどの店がシャッターを閉め、老人と犬だけが目立っていた印象があった。今ではジーンズによる町おこしが順調に発展し、児島ジーンズストリートに訪れる観光客が増えてきた。
その一角に御室派真言宗の持宝院がある。いつもお盆に来ていただいているお寺さんだが、数年以上境内に入ることはなかった。それで気が付かなかったのだが、新たに庭園が完成していた。

山門をはさんだ南北の石組庭園で、京都の著名な作庭家北山安夫さんの作品である。北山さんは建仁寺や高台寺の庭をはじめ、海外でも日本庭園を手掛けてきた。また、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演(第41回2007年2月15日放送」し、最近では大河ドラマ「麒麟がくる」で、明智光秀の館の庭をつくった

山門
  


南庭、大きめの石を埋め込んだ州浜の向こうに、豪快な三尊石組がある。
           

左手(北側)の石の壁に挟まれた道が三尊石組方面へ
     

北庭、まず白砂の掃き目と横たわる石が目を引く。
     

累々たる巨石群の中に観音様への道が
    

中核部分、巨大な船石の向こうに中心石
 

先代のご住職の時代から集められた数々の石が並ぶ。
    

 

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