Monthly Web Magazine Jan.2021
■ 「牛」の彫刻 酒井英樹
明けましておめでとうございます。
今年は丑年。干支は「辛丑」です。
初めてWEB-MAGAZINEに書いたテーマは「辛卯」。同じ「辛(かのと)」だったので、早いもので十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)が一周したことになる。
「丑」の象徴としてあてられる動物は牛。
そこで、例年の通り(といっても10年間で3回目ですが・・・)、国指定の重要文化財重要文化財建造物にある「牛」の彫刻、撮影してきた内公開可能な写真から探してみた。
<十二支の内の一つとしてデザインされた彫刻>
五重塔のように3間×3間の平面を持つ場合、柱間は12となりそれぞれの柱間の中備(蟇股)に十二支が一つずつ配されている。
*日光東照宮五重塔(栃木県日光市)
*旧寛永寺五重塔(東京都台東区)
上野恩賜動物園内にあり鳥糞害に晒されて放置されていた状況
*本門寺五重塔(東京都大田区)
*北口本宮富士浅間神社神楽殿(山梨県富士吉田市)
*南宮神社高舞殿(岐阜県垂井町)
*備中国分寺五重塔(岡山県総社市)
*神部神社浅間神社少彦名神社本殿(静岡市葵区)
桁行3間×梁間2間(柱間が10間)の平面を持つ。外面の10個の蟇股には寅(虎)から亥(猪)が配されている。
内部に子(鼠)と丑(牛)が存在する。(通常非公開) 公開時に外部から撮影したため不鮮明ですみません。
*箸蔵寺本殿(徳島県三次市)
十二支中、未(羊)は未確認、それ以外は確認済み
*箸蔵寺護摩堂(徳島県三次市)
十二支中、戌(犬)と亥(猪)以外は確認済み
<牛を単独でデザインされたもの>
*英勝寺仏殿(神奈川県鎌倉市)
*延暦寺根本中堂(滋賀県大津市)
*日吉大社東照宮本殿・石の間・拝殿(滋賀県大津市)
*北野天満宮本殿・石の間・拝殿及び楽の間(京都市上京区)
*専修寺如来堂(三重県津市)
<農耕用や運搬用道具として人との関りをデザインされたもの>
*専修寺如来堂(三重県津市)
*随願寺本堂(兵庫県姫路市)
*名草神社拝殿(兵庫県養父市)
*本願寺唐門(京都市下京区)
<その他>
*築地本願寺本堂(東京都中央区)
*北大農学部第二農場種牛舎(札幌市北区)
これら以外にも詳しく探せばあるかもしれませんが・・、とりあえず今年はここまでとさせていただきます。
来年は寅で虎の彫刻・・虎と龍は数が多すぎて・・兎は10年前に一度・・これまでと同じく気ままに・・パス???して4年後かな・・
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