Monthly Web Magazine Jan.2021
■身近な野鳥の季節 田中康平
冬になると色々の鳥が渡ってきて鳥見にはいい季節となる。例えば九州では鹿児島県出水の1万羽を越えるツルの飛来が知られているが、身近なところでも、おやという野鳥に出会えるようになる。コロナで出歩く機会が激減している現状だが手近に自然の移ろいが楽しめるのがいい。
自宅から歩いて5分ほどの街中の公園でも結構野鳥が面白い。今冬の目玉はトラツグミの飛来だ。すぐ横の広場では子供たちが球技で元気な声を上げたりしているのだが悠然として草原で体をゆすって土の中のミミズをとっている。トラダンスといわれるが全体としては動きが緩慢なので景色に溶け込んでしまって見逃してしまう。子供たちが追いかけることもない。この鳥は冬は暖地で過ごし夏は山や北海道など涼しいところで過ごす国内を移動するだけの漂鳥と見られている。見る機会がそれほど多くない鳥で見つけるとうれしくなる。
カワラヒワは国内を移動するどこにでもいる鳥だがまれに大柄で美しいオオカワラヒワが混じっていることがある。今冬は同じ近くの公園でセイタカアワダチソウの実を4羽のオオカワラヒワが頻りに食べているところに出くわした。茫々とした雑草の茂みは野鳥が好む場所でこの公園もこれ以上手を入れると野鳥の数が減りそうだ。見栄えのいい整った公園には面白い野鳥は現れにくいように思う。
この季節では他にはシロハラが多い。渡ってきて直ぐは人に対する警戒心が強くなかなかしかと姿を見れないが、この頃になると落ち着いてきて見やすくなる。今年はシロハラやアカハラの仲間のマミチャジナイがここへちょっとだけ姿を見せた。これもここらではめったに見ない鳥だ。寒い冬のせいだろうか。
コロナと寒波の冬もこんな風に過ごせば満更でもない。
写真は順に1,2:トラツグミ 、3,4:オオカワラヒワ 5:普通のカワラヒワ、6:シロハラ 、7:マミチャジナイ
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