JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine Apr. 2021

Back number


■ 有明海の干潟・大授搦(だいじゅがらみ)で鳥見  田中康平

新型コロナで遠出は自粛状態ですが緊急事態宣言も一応解けたしということもあって有明海の北岸にあたる大授搦(東よか干潟)に出かけてみました。
有明海は干満の差が激しいので干潟の鳥を見るには大潮前後の満潮前1-2時間くらいに現地到着するようスケジューリングすることが重要で、気ままに行っても野鳥はよくは見れません。
自宅のある福岡からは1時間40分位かかることから潮もよくて無理なく見れるスケジュールはひと月に2-3日くらいとなりこれが荒天でない日を選ぶとなると相当に限られます。良さそうな日は逃さず出かける位の心構えが必要となってきます。
冬鳥はもうそろそろ北へ帰る頃ですが夏羽に代わっていく時期でもありそれも面白かろうと、大潮も終わりかけの3月末に出かけてみました。満潮は午前11時頃の予定でこれに合わせて8時20分頃出発、潮位は最高で5m位でピークよりは低く満潮寸前まで干潟が残るのではないかと予想していました。
10時頃に現地に着くと予想より潮位が高い、もう柵の向こうの海は潮で満ち、干潟がありません、ハマシギなどの足の短い鳥は居場所を失い群れとなって飛び回っているだけで遠くに見るしかありません。来るのがやや遅かったという感じでした。前日強い南風が吹きその吹き寄せの影響がこの日まで残ってしまって潮位がやや高くなったということの様です。それでものんびりおにぎりでも食べながら眺めていると色々鳥が目に入ってきます、
世界的な希少種であるクロツラヘラサギとヘラサギが混じった10羽くらいの群れが見えたり、1000羽以上の群れを成して飛び回るハマシギの様も面白いものがあります。
暫く待つと引き潮になって干潟が次第に現れ ハマシギやメダイチドリ、ツクシガモ、ダイゼン、ズグロカモメ等が、見えるところに降りてきて観察に忙しくなります。そうしているうちに干潟は見る見る広がり野鳥は水際ラインが後退するに従って次第に遠くなってしまい、程なく観察や撮影がきつくなってきます。ここらで引き上げとします。しかし何度来てもメリハリのある楽しい鳥見ができる場所です。

図・写真は順に 

1:地図 2:満潮40分前頃の状態、柵の内側まで波が寄せる。3:クロツラヘラサギ 4:、5:群れで飛び回るハマシギ 6:干潟のハマシギ 7:干潟の状況-奥にダイゼン、ダイシャクシギ、オオソリハシシギ、その手前にハマシギ、クロツラヘラシギ等 8:干潟の状況続き-奥にダイシャクシギ、中央にアオサギ、右端にツクシガモが半分、手前にハマシギ 9:ホウロクシギ、10:奥に後ろ向きのホウロクシギ、その左前にダイゼン3羽、更に手前側にハマシギ 11:ズグロカモメ(遠い!) 12:ダイゼン

            

 All rights reserved 無断転用禁止 登録ユーザ募集中