JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine May 2021

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■ 白岩は磐座?  大野木康夫

今年の1月に野崎さんが山科の諸羽神社を取材されていました。
諸羽神社は私の地区の氏神で、コロナ前は毎年、祭礼に参加していました。
野崎さんは本殿裏の磐座と琵琶石に興味を持たれていましたが、諸羽神社の背後、諸羽山には白岩と呼ばれる大きな岩が露頭しています。
私が子どものころ(昭和40年代後半)は、私が住んでいるところから諸羽山を見ると、二つの峰つなぐ尾根部分の真ん中に白岩が光って見えており、何回か、疏水のところから直登して白岩の上で昼寝をしたことがあります。
今回、白岩を訪問してみました。

山科駅から見た諸羽山

現在は子どもの頃の直登ルートは閉鎖されており、右手のピークを越えて尾根伝いに白岩に行くようです。
雑木が茂って白岩は全く見えなくなっています。
 


諸羽神社参道

神輿巡幸の際には、鳥居2箇所とJRの高架下は神輿を腰持ちで通過します。
      

二の鳥居の手前右手の斜面を登った疏水公園から諸羽山に登ります。
   


少し急な山道ですが、ピンクのテープを頼りに登れば迷うことなく諸羽山の頂上に出ます。
    

頂上から尾根伝いに下ればすぐに白岩が見えます。
 

40年以上前の記憶では、白岩はすべすべしていて寝ころびやすかったのですが、今回訪問したら、割れているのか、ごつごつして寝心地が悪そうでした。
白っぽい大岩がゴロゴロしています。
      

少し木立が切れているので、山科盆地北西部を眺めることができます。
   

白岩は、磐座かどうかはわからないのですが、かつては盆地の中心部から仰ぎ見ることができたのですから、信仰の対象であってもおかしくないような気がします。
諸羽山から、安朱の集落を挟んで西側の山並みの上には、平安時代に大規模な山岳寺院(上の安祥寺)が創建されたこともあり、何らかの宗教的な意味付けはされていたように思うのですが。

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