JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine June 2021

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■  JR駅名について 野崎順次


漢字の表記や読み方にこだわる方である。細かいといわれそうだが、最近、JR駅名の表記と読みについて気づいたことを書き留めておく。

(1) 東海道本線「三ノ宮」

兵庫県内で乗客数が最も多い駅である。読みは「さんのみや」で由来は三宮神社から来ている。神戸地下鉄路線図からの抜粋のように、JRを除く駅、地下鉄、阪神、阪急の全部が三宮と表記される。なぜかJRだけ「三ノ宮」と「ノ」が入ったのか。「よそから来る人には読み方が『さんみや』か『みつみや』か、よく分からない。『さんのみや』と読んでもらうため『ノ』を入れたのでは」という説もある。ちなみに兵庫県西宮市の駅名については、2007年、JR西日本は地元の要望に応えて、「西ノ宮」から「西宮」に変えた。ただ、三ノ宮については、現段階で「ノ」の字を取る計画はないとしている。

私の意見: 伝統と現状の双方から「三宮」に改称する。
   


(2) 北陸本線「木ノ本」

北国街道木之本宿、木之本地蔵院など住所や施設など大抵の名称表記が「木之本」だが、なぜかJR駅名だけが「木ノ本」である。

私の意見: 伝統と現状の双方から「木之本」に改称する。
   


(3) 参宮線「二見浦」

夫婦岩で知られる二見浦は、一般的には三重県伊勢市二見町の今一色から立石崎に至る海岸で、その読み方は、「ふたみがうら」である。それで二見ヶ浦と表記される場合も多い。ところが最寄りのJR参宮線「二見浦」駅の読みは「ふたみのうら」である。さらに駅前の案内図を見ると二見浦のローマ字表記がFutamiura、すなわち「ふたみうら」である。どーなっているのだろう。

私の意見: 「ふたみがうら」に統一しよう。
   

(4) JR姫新線・智頭急行「佐用」

佐用市(さようし)にある駅だが、「さよ」と読む。佐用は元来「さよ」と読んでいた。町中を流れる川も佐用川(さよがわ)である。だが、1955年(昭和30年)3月1日 、 佐用町が平福町 ・江川村・石井村 ・長谷村と合併して佐用町が発足した時に読みを「さよう」に変えた。しかしJR駅の読みは変えていない。

私の意見: この場合はJRが正しい。歴史と伝統を忘れず、「さよ」と読み続けよう。
 

 

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