Monthly Web Magazine August 2021
■ BEFORE and AFTER of 重要文化財 酒井英樹
十年一昔という言葉がある。
しかし、東京オリンピックを見ていると9年前のロンドンオリンピック・・ってつい最近の出来事???・・と感じてしまった自分の年齢を感じざるを得ない・・悲しいことに・・。
中身はまったく進化なく変わっていないのに・・。
後世に伝えていくという名目で保存がされている重要文化財・・それらを永らく主に撮影対象にしている自分・・
保存なのだから・・ほとんど変化がないものを何度も撮影して・・・と言われることが幾度もある。
しかし、屋根の葺き替え(民家の茅葺や神社の檜皮葺は30年程度で1回葺き替えが必要)、建築部材の塗装塗り替えなど必ずしも同じではない。
中には根本修理の際、建築当初の姿に戻すため全く姿を変えてしまったものも存在する。
そこで今回は修理などで姿を変えた重要文化財建造物をいくつか列挙させてもらった。
真禅院本地堂 [岐阜県垂井町]
2018年修理完成:屋根の形状等が変更復旧、彩色を復元
全景
2013年撮影
2021年撮影
蟇股彫刻
2013年撮影
2021年撮影
護国院楼門 [和歌山市]
2007年撮影
2010年撮影
東照宮本殿、弊殿、拝殿 [東京都台東区]
2009年~2013年の修理:金箔が押し直され、漆が塗られて当初の「金色堂」と呼ばれた姿が復活
2009年撮影
2014年撮影
勝興寺経堂 [富山県高岡市]
2017年~2019年の修理:葺材を桟瓦葺から檜皮葺に復旧
2009年撮影
2020年撮影
金剛寺金堂 [大阪府河内長野市]
2019年修理完成:彩色を復元
全景
2010年撮影
2020年撮影
蟇股彫刻
2010年撮影
2020年撮影
佛性寺本堂 [茨城県水戸市]
2011年~2014年の修理:屋根形状、葺材を桟瓦葺から檜皮葺に復旧、正面の位置が変更されている。
2009年撮影
2014年撮影
八勝寺阿弥陀堂 [熊本県湯前町]
2015年解体修理完成:15世紀後期の建立の姿に復旧
大変身で修理後の再訪の際は、一旦前を通り過ぎてしまいました。
2008年撮影
桟瓦葺、回縁なし
2014年撮影
茅葺、回縁復旧
東京駅丸ノ内本屋 [東京都千代田区]
2007年~2012年の修理:太平洋戦争で焼失した当初形状(辰野金吾設計)に復旧、戦災で焼失した3階と屋根の形状の復旧など
丸の内中央出口部
2004年撮影
2020年撮影
丸の内北出口ドーム部
2004年撮影
2020年撮影
南翼部
2004年撮影
2020年撮影
大洲城台所櫓 [愛媛県大洲市]
2004年天守復元に伴い、渡り櫓を復元し接続
1994年撮影
2014年撮影
明石城巽櫓 [兵庫県明石市]
阪神淡路大地震(1995年)で被災、曳屋にて修復、坤櫓間の塀(震災前は一部残存)を復元
1993年撮影
阪神淡路大地震前、坤櫓との間の塀が繋がっていない。
2010年撮影
復旧後、坤櫓との間の塀が繋がっている。
旧神戸居留地十五番館 [兵庫県神戸市]
阪神淡路大地震(1995年)で倒壊、1998年復旧完了
1993年撮影
阪神淡路大地震前
2014年撮影
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