Monthly Web Magazine Jan. 2022
■ 「茶々丸」 柚原君子
我が家はコロナ禍において家族全員で日本国から50万円を戴けた。そのうちの30万円を使って、家の中で静かに過ごせるように猫を買った。
原産国:スコットランド
猫種 :Scottish Fold(長毛、立ち耳)
性別 :M/5男(末っ子)
眼色 :Gold
毛色 :Red-Tabby&White
父名 :Gareth
母名 :Comely
祖父 :Cliff
祖母 :Venus
髙木家にやってくる。
命名 :Chacha-maru-Takagi
通称 :茶介(ちゃすけ)
公認血統書ナンバー SCF-002617-11、他上記のような厳かな書類と供に我が家にやってきた猫は、我が家に於いては帰化した如く横文字で書いても明らかに日本名になり、あろうことか普段は茶介!ごはんよぉ!と呼ばれて喜んで走ってくる。
長毛で足の豆の間からも毛が伸びているので、滑って良く転ぶ。特にコーナがあるときは滑り込んでくる。毛が長毛なのに足は短足で、特に前足は日本猫の半分くらいの長さしか無く、食堂の椅子に登るときにも滑り落ちることが多い。
五男であったらしく兄弟の中ではいちばん小さく、我が家に引き取るのに育ちが悪いとのことで2週間遅れたが、今では4200グラム。ちょっと大きめに産まれた人間の赤ちゃんと同じくらいの重さになった。
長毛猫を飼ったことが無い我が家。ある日、皮膚下に固い腫瘍がある。しかも4足のどの付け根にも。あわてて獣医に診せたら「毛玉」と笑われた。以来すき櫛でブラッシングをするのだが、最近はヤンキーの如く反抗期で、ウワーニャ~とドス声で鳴き、飼い主の手を噛みついてひっかいて逃げていく。
壁とカーテンによじ登るのでリビングはボロボロ。皮のソファの側面と食堂の椅子の背の皮面も爪を研いだ跡でボロボロである。
茶々丸は現在写真サイトにもアップされていて、昨年一年間で2000円ばかりを稼いだ。イタズラはするが稼ぎ猫でもある。コロナが無ければ我が家にやってこなかった猫。コロナ様々と大声では言えないが、日本国から突然もらえたお金で愛猫がやってきて、外出ままならない何度かのコロナ波のストレスを吸収してくれた事は確かである。
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