Monthly Web Magazine Feb. 2022
■ 修理中 大野木康夫
文化財建造物を撮影しようと訪問したとき、修理中で撮影ができないということがしばしばあります。
令和4年1月末現在、京都市内において修理中の重要文化財建造物を駆け足で回ってみました。
平野神社本殿(北区)
平成30年に台風の被害で拝殿(京都府指定文化財)が倒壊、本殿(重要文化財)2棟にも檜皮屋根が損傷する被害がありました。
平成3年11月1日付けで文化庁の補助金交付対象となり、同月中に着工されたようです。
倒壊した拝殿は、本殿の修理に先立って修理が完了しています。
本隆寺(上京区)
平成28年から10年間の予定で、本堂、祖師堂の順に大修理に着手されています。
本堂は令和5年に竣工予定、その後祖師堂の修理にかかり、令和8年に完了する予定です。
本堂
祖師堂
良正院(東山区)
屋根の傷みから小屋組み全体に影響が出ていたため、令和元年から令和4年にかけて、本堂の半解体修理が行われています。
その後、表門も修理予定です。
本堂(重要文化財)
令和4年度に竣工予定です。
表門(重要文化財)
妙法院(東山区)
建物全体が南西に傾いていたため令和2年から庫裏の半解体修理が行われています。
令和7年度に本工事終了、周辺整備が終わるのは令和8年度の予定です。
1月に訪問した比叡山延暦寺では、根本中堂の修理中ですが、修理現場が常時公開される形となっており、大変興味深かったです。
京都でも、時期を限ってではありますが、京都府文化財保護課が修理現場の公開事業を行っています。
普段見られない小屋組みなどを間近で見られるのは、うれしいところです。
All rights reserved 無断転用禁止 登録ユーザ募集中