JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine May 2022


■ ひさかたぶりの福島の桜 川村由幸

まるまる2年ぶりの福島です。コロナ禍で遠出を全くしていませんでしたから福島だけでなく関東を出ること自体2年ぶりなのです。
さすがにジッとしていることに耐えるのが難しい心境になって来ていて、オミクロン株への感染が減少し始めたころから再スタートはいつどこからと考えるようになっていました。
そんな私が選んだのが「福島の桜」なのは当然過ぎる帰結だと思えます。
出かけられたのが4/17と遅くなったため、開花時期の遅い田村市の桜を中心に観桜を楽しみました。
ここでは今回初めて訪ねた桜を中心に紹介します。

最初は遠中山の桜、中山の薬師桜とも呼ばれることもあるようです。
 
田村市の桜のガイドブックにも紹介されていない桜で、目的の桜に向かう途中に車窓から発見し、思わず車を止めて撮影した桜です。
付近に車を止める場所もなく、車を道端に放置できず、近づいての撮影ができませんでした。色の濃い姿の良い桜です。

巨木で驚いたのがお伊勢さまの鐙摺石ザクラです。
 
田村市の桜では是哉寺の地蔵桜と双璧をなす巨木です。樹高では鐙摺石ザクラが勝っています。
訪れた時は他に見学者はなし、関東に存在したら見学者があふれ、屋台の店が出ていても不思議ではありません。それぐらいの巨木です。
滝桜に代表される有名な桜には見学者が多く集まりますが、大きさも美しさも負けていない名を知られていない桜も多いのです。

次は壁須のしだれ桜です。民家の庭に咲いているようで立ち入り難いロケーションです。
 
家と家との間に咲いています。ちょうど満開でしょうか。姿の美しい桜です。でもやっぱり近づくことは遠慮しました。
自由に見学ができる環境を続けるためには、見学者にもマナーが必要です。
最後が弁天桜です。広い駐車場に車を止め、すこし歩いたところにこの桜はあります。
 
残念です。訪れるのが少し遅かったようです。下の枝には葉が出始め満開を過ぎていました。
周りを高い木立に囲まれとても良いロケーションに咲く枝垂れ桜です。この桜は満開を是非また見たいと思いました。
ここまで初めて訪ねた桜ばかりを紹介してきましたが、以前に訪ねたことのある桜も美しさを誇っていましたので紹介します。
 
田村市の是哉寺の地蔵桜と松岳寺のしだれ桜です。ともに満開、そしてどちらにも多くの見学者がおりました。
日本人はなぜ桜がこんなにも好きなんでしょう。自分もそんな日本人の一人であることは間違いないのですが、桜が好きな理由に思い当たりません。

もう一本、田村市でなく三春町の桜です。

丘の上の孤高の桜。七草木の天神桜です。2年前に見た時より花が白く感じました。しかし美しい。背景が全て空ですから桜を引き立たせます。そして付近に空き地は山ほどあっても、ここにも駐車場がありません。見学者もちらほら。
地元の方々にはたいして意味のある桜ではないのでしょうか。静かに花見ができるのは大変ありがたいのですが。
2年ぶりの福島での観桜、紹介した以外にもう一ヶ所まわり、全部で九ヶ所まわりました。
往復で570km、内400km強が高速道路。朝4時過ぎに自宅を出て、午後2時には帰宅していました。
疲れましたけれどもとても楽しい観桜でした。そろそろコロナのくびきから解放されても良いのでしょう。
ボチボチと撮影に出かけます。

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