JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine June 2022


■ おばちゃんカメラマンが行く 修那羅山安宮神社@長野県筑北村  事務局

修那羅山安宮神社はあまり知られてないうえに手入れも行き届いていない神社だが、春の五月中旬は桜の名所として地元の人に親しまれているらしい。
うっそうと茂った山の中を進むと急に神社の境内が開け、訪れた時はミヤコワスレの紫の花が一面に咲いており幻想的な雰囲気だ。
何故かオートバイ神社とかパワースポットとか言われ最近は若い人もお参りに来るようである。

 

今回は境内裏山の石神仏群を訪れた。800基を超える石神仏と石造物がいたるところに置かれ、160体もの木製神仏像が神社の傍らに祭られている。
江戸時代末から明治時代前期と年代も様々で、新しいものもあり、いまだに信仰の対象となっていると思われる。

神仏習合のものが多く形式も様々で、ユニークなものがたくさんある。山犬、蚕神、ササヤキ大明神など名前だけでも見入ってしまう。

  

特になんじゃこれ~!は十一面観音だ。別名ブナ観音と呼ばれ、ブナの木の空洞の中に観音様が入っている樹胎仏だ。木の生命力の神秘を感じさせてくれる一押しの石仏だ。

 

またこの地域は養蚕も盛んであったらしく、ネズミの害を防ぐための猫神像や猫の狛犬が特に目を引く。神社の傍らに祀られた石祠の前には、虎模様のクルリと回った長いしっぽの一対の狛猫?通称虎猫様が鎮座しており、なんともユーモラスだ。

  
元来、子安神として安産子育ての祈願が多かったのか、小高く奥まったところ何重もの腰巻に覆われていて内部は良く見えないが女神様の祠がある。お礼参りにお参りに行ったのだろう。赤や白の腰巻の数がいまだに信仰の対象として地元に根付いていることがうかがえる。
写真ではこの不思議な雰囲気はあまり伝わらないが、お花見がてら訪れてみるのも良いかもしれない。

 

 

今月のニャンコ

修那羅山安宮神社の猫たち。
シャキッと両脇で立っているように言われたのですが、暑いし暇でついついお昼寝モード。狛猫の真似はできません。

   

 

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