Monthly Web Magazine July 2022
■ 京都大原ぶらり 野崎順次
大原の宝泉院と実光院の庭ともう一度じっくり見なくてはと思ってた矢先、6月25日(土曜日)にNHKTVで「ブラタモリ
なぜ大原は“癒やしの里”になった?」を見た。番組内で特に興味を引いたのは、「大原産の赤しそが“最も原品種に近く、色・香り・味とも最高級である”。」ということ。いうまでもなく、赤しそはしば漬けの重要原料である。というわけで、翌日(日曜日)に大原に出かけた。大原と言えば、三千院がもっとも有名だが、三千院には行かないと決断すると、大原の地を楽しもうという余裕が生まれる。
いまさらのように解説すると、京都市左京区の北東部にある大原は、比叡山の北西麓に位置し、四方を山々に囲まれた盆地である。鴨川の支流のひとつである高野川が南西に縦断している。その高野川に三千院を挟んで呂川(ろせん、ろがわ)と律川(りつせん)が流れ込む。声明の呂曲と律曲に因んで名づけられた。調子がはずれた「呂律(ろれつ)がまわらない」という言葉の語源である。
阪急烏丸から地下鉄で国際会議場にきて、大原行のバスに乗った。
大原バス停から近くのアジサイ
少し坂を上ると、赤しそ畑があった。収穫期が近いようだ。動物除けのビリビリ電線で囲まれているので、葉っぱに手を出しにくい。ここでは見るだけにした。
さらにアジサイや草花を観察する。
三千院方面の呂川沿いの路に出た。大原女の路というそうだ。半世紀前から数回来てるのに、今回初めて気が付いた。
右手に小さな橋があり、その先に坂道がある。行ってみよう。
椿地蔵という小さな石仏があり、さらに上ると「見渡すかぎり大原の里」という表示があるので、気持ちよく見渡した。赤しそ畑があった。ビリビリ電線に囲まれているが、間から腕を入れて葉っぱを一枚戴いた。半分にちぎって、手のひらに包むように香りをかいだ。予想以上に実にかぐわしい。
三千院への石段を上がり、三千院を通り過ぎて、律川の苔むした石垣の白い花を楽しんだ。
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