Monthly Web Magazine Sep. 2022
■ 画像の補正など 大野木康夫
通信員としては主に建造物の撮影をしていますが、広角レンズを使用するとレンズの歪曲収差によって画像が歪むことがよくあります。
これは、RAWファイルで撮影して現像ソフトで補正することにより、ある程度修正することができますので、その実例を示します。
(現像ソフトはAdobe
Lightroom Classicを使用)
【実例1】暗すぎた場合
醍醐寺純浄観(2018年1月撮影、焦点距離11mm(35mm換算16mm))
撮影したままの画像
諧調を補正
自動補正した後、ハイライトを-100に、シャドウを+100に補正
画像のゆがみを補正
垂直方向を-30とし、ゆがみを+10に補正
【実例2】明るすぎて色調もおかしくなった場合
箱木家住宅(2013年3月撮影、焦点距離10mm(35mm換算15mm))
撮影したままの現像
ホワイトバランス、諧調を補正
ホワイトバランスを自動補正し、諧調も自動補正後、ハイライトを-100に、シャドウを+100に補正
明るすぎたため、白レベル、黒レベルともに-30して白レベルを-12に、黒レベルを-61に補正
画像のゆがみを補正
垂直方向を-25、回転を-1.0とし、ゆがみを+10に補正
【実例3】覆屋の中で全体を撮影しようとした場合
全体を撮影するので、ゆがみの補正は最小限としています。
猪名川戸隠神社本殿(2016年1月撮影、焦点距離10mm(35mm換算15mm))
撮影したままの画像
ホワイトバランス、諧調を補正
ホワイトバランスを自動補正し、諧調も自動補正後、ハイライトを-100に、シャドウを+100に補正
暗すぎるため、白レベル、黒レベルともに+50して白レベルを+50に、黒レベルを+35に補正
画像のゆがみを補正
水平方向を-10、回転を-4.0とし、ゆがみを+10に補正
切り取りの際はトリミングを使用して微調整
【実例4】巨大な近代建築物の場合
垂直方向の補正を大きくしています。
愛知県庁舎(2022年8月撮影、焦点距離15mm)
撮影したままの画像
諧調を補正
自動補正後、ハイライトを-100に、シャドウを+100に補正。
画像のゆがみを補正
垂直方向を-80とし、ゆがみを+20に補正
切り取りの際は、トリミングを使用して微調整
特に切り取りの場合は、自動でやってしまうと余計な部分まで切り取られてしまうので、手作業で微調整した方がいいと思います。
RAW撮影のメリットは、現地での撮影時間の短縮だと思うので、帰ってからの現像作業もなるべく楽しんでやればいいと思います。
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