JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine  Oct. 2022


■ 花火大会に思う 酒井英樹


10月も中旬となり、今年の季節も終わりを迎えた。

 昨年はコロナ渦で多くの花火大会が中止された。
 だが2022の今年は・・いまだ半数以上の花火大会は中止されていたが、いくつかは復活をとげている。

 今は昔・・昭和の後半・・大阪のミナミで生まれ育った子供にとって花火といえば、家の屋上から見るPL(PL 花火芸術)の花火だった。
 自宅から十数キロ離れた花火を音もなく遠くから見るのが花火の記憶。

 爆音とともにまじかで見る花火は遠くから眺めるだけの少年には圧巻の一言・・。
 カメラ少年には珍しく目に焼きつけるものと思い込んでいた。
 その記憶が・・いまだに花火は最前列で見るものとなっている・・。

 旅先で出くわす花火・・。2022年の今年、4回旅先と1回自宅で観賞した。

  7月17日 兵庫県新温泉町 浜坂漁港にて
   

  8月 6日 滋賀県湖南市 野洲川河川敷にて
     

  8月27日 自宅(官舎)屋上より望む
     いわゆるシークレット花火
 

  9月 4日 大阪府枚方市 淀川河川敷にて
   
     

10月 1日 和歌山県紀伊田辺市 扇ヶ浜海岸にて
     

 花火の修了後の人の波・・。警備がなされ駅への大渋滞が花火の感動を濁らしてしまう・・。

 かつて、大蔵海岸(明石花火大会歩道橋事故の場所)の整備計画に携わった者としては、複雑な思いだ。
 いまでも仕事がら・・警備強化の限界からやむを得ず中止にした花火大会・・花火に興奮した子供がはしゃぎ過ぎて階段から落ちて重傷を負ったせいで翌年から中止になった花火大会などなど・・観てきた。 
 そしてコロナ渦を理由に中止し、経費や警備の問題で再開をしない花火大会が数知れずあることも知っている。
 
 私にできることは来年以降も多くの花火大会が復活すること・・瞬間の芸術である花火・・少しでも写真に残せればな・・と思う。
 そして、見学者のマナーが少しでも向上し・・警備がこれ以上厳しくならないことを願うばかりだ・・。

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