Monthly Web Magazine Nov. 2022
■旧高宮貝島家住宅 田中康平
福岡市の登録有形文化財であった旧高宮貝島家住宅を含む高宮南緑地が今年の4月に改めて新装開園・開館したというので様子を見に行ってきた, 自宅からは車で10分もかからない。
かっての筑豊御三家(麻生・貝島・安川)の一角を占める貝島(かいじま)家の貝島嘉蔵(貝島炭鉱創業者貝島太助の弟)の本邸で、大正4年に直方市西尾に完成していた邸宅を大正14年に解体、昭和2年に現在のここ高宮の地に移築したものという。戦後は進駐軍から接収されていたが昭和27年に解除になり、そのまま維持されてきたようだ。2017年5月に福岡市登録文化財に指定登録されている。当時の和風建築の雰囲気が良く残されていていい。
飯塚の伊藤伝衛門邸ほどの広大な作庭はないが森の様な茂みのある広い敷地には離れの茶室もあり、のんびり散策もできる。貝島家は家訓として炭鉱業以外に手を出さないことと定めており、他の麻生、安川家の様な政界・実業界への展開は殆ど見られなかったようだ。炭鉱の衰退とともに歴史に埋もれていったような気がする。
現在は建物はそのままに内部はレストランや茶房に活用されている。茶房で昼の膳を食しながらのんびりと過ぎゆく時の流れを感じるのもなかなかだ。
写真は順に 1--8:母屋、9:茶室、10-11:母屋の茶房からの眺め、12:至る所にイロハカエデの木あり紅葉も期待できそうだ
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