JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine  Dec. 2022


■ 老後の楽しみのために 大野木康夫

文化財建造物を撮影するようになってから、撮影対象を把握するためにいろいろなリストを作成しており、JAPAN GEOGRAPHIC のサイトにも掲載してもらっています。
最近、リストの点検をしている中で、元の指定告示の表記がどうなっているのかが気になってきましたので、告示原本を収集し始めました。
リストを作成してしばらくしてからの官報(平成26(2014)年1月27日以降)はパソコンに保存していますが、それ以前となると告示文そのものを見ようとすれば、国立印刷局の「官報データ検索サービス」で日本国憲法施行以降(昭和22(1947)年5月3日以降)のものは見ることができますが、会員制有料で公立図書館に行けば印刷してもらうことは可能ですが手間がかかります。会員となって利用する方が便利ですのでこれから検討しようと考えています。
しかし、もっと昔の官報(昭和27(1952)年4月以前)は、国立国会図書館デジタルコレクションで公開されており、学術目的であれば自由にダウンロードして使用することができますので、とりあえず、ここから収集をすることとし、このほど終了しました。
官報には毎月の目録がありますので、それを見て該当する告示が出された日の官報をダウンロードしていくのですが、この目録が出される日がまちまちです。特に、関東大震災(大正12(1923)年9月)後しばらくと終戦後しばらくは目録(付録)の発行が大幅に遅れたり前後したりしているので、調べるのに手間がかかりました。
収集した告示は、文化財に関連するものすべてです。

(事例)

古社寺保存法に基づく特別保護建造物の指定告示



古社寺保存法に基づく國寶の指定告示



國寶保存法に基づく國寶の指定告示



史蹟名勝天然紀念物保存法に基づく史蹟、名勝、天然紀念物の指定告示



重要美術品等ノ保存ニ關スル法律に基づく重要美術品の認定告示


文化財指定の変更(国寶の構造形式の変更等)等の告示


文化財の所有者変更等の告示


焼失等による指定の解除告示
 


収集しているうちに、文化財指定告示文の表記の変遷、整合性の検証、重要美術品建造物の現在の保護状況等、いろいろな興味が沸いてきました。データは膨大なので、体が動かなくなってもできる楽しみとして、今後いろいろ確認していきたいと思います。

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