新潟県上越市 宮口・水科古墳群
Miyaguchi/Mizushina kofunbgun,Joetsu city,Niigata
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May 24,2015 瀧山幸伸 source movie
宮口古墳群
新潟県南部の[[頸城]くびき]平野の東辺にあたる牧村の背後、八幡堂丘陵上とその北東に展開する扇状地上に営まれた後期古墳群である。八幡堂丘陵には8基の横穴式石室墳が稜線上に点在しており、比較的規模の近似した石室からなっている。最大規模の第2号古墳で全長5.4メートルであり、最小のものでも全長4メートルを測る。丘陵下の扇状地に所在する16基の横穴式石室墳は、1.5ヘクタールという狭い範囲に集中しており、規模の大きな第11号古墳の石室は玄室の長さ6.6メートル、幅1.4メートル、羨道の長さ2.07メートル、幅0.8メートルをはかる雄大なものであり、小規模なものは玄室の長さ1.7メートル、幅0.65メートル、羨道長さ0.85メートル、幅0.63メートルを測る小石室である。16基中にはこうした小石室墳が数基確認されており、追葬を配慮した石室と1人の被葬者を意識した石室の2者が見事に対応している。石室は、すべて河原石積の側壁をもち、床面の敷石や羨道閉塞の実際をよく遺存する例がきわめて多い。遺物の検出は追葬を意識した古墳に見られ、6世紀末葉から7世紀前葉に位置づけられるが、小石室墳からは副葬品の発見はなく、位置から見て後出するものかと考えられる。日本海沿岸北部における顕著な古墳時代後期の群集墳としてきわめて重要なものであり、群の在り方、構造を通じてこの地域の動向を窺いうる貴重なものといえる。
水科古墳群
新潟県の頸城平野の東端近くに所在する飯田川の東岸、扇状地上に営まれた後期古墳群である。約1ヘクタールという狭い地域内に32基の横穴式石室墳が群集している。横穴式石室墳はすべて墳丘が削平されているが、大部分が円墳であったことが確認されている。第19号古墳は羨道入口の左右1メートル外脇から墳丘域を示す周溝を、第21号古墳では羨道外端から河原石を墳丘裾に外護列石状に積み、ともに円墳であることを示している。横穴式石室は河原石を積み側壁を作るものであるが規模は比較的多様である。規模大なものとしては全長8.6メートル、幅0.9メートル前後のものが、また中規模のものとしては全長3.5〜4メートル、幅0.8〜0.9メートルの一群があり、さらに小規模なものとして全長1〜1.3メートル、幅0.3〜0.5メートルといった一群がみられる。前二者は追葬を配慮したものであり副葬品を見るが、後者は1人の被葬者を暗示しており副葬品も明らかでない。
本古墳群は、墳丘基底部の構造をよくとどめるばかりでなく、石室床面の敷石、羨道閉塞などの実際をよく伝えており、注目される。いずれにせよ、日本海沿岸北部の重要な後期古墳群というばかりでなく、その群の構造なり、内容が示すところは、この地域の動向をきわめて具体的に窺わせるにたるものとして貴重なものと考えられるのである。
石造仏塔
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