岡山県高梁市 吹屋 べんがら館
Bengara factory museum, Fukiya,Takahashi city,Okayama
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Nov.1,2016 中山辰夫
ベンガラ館
岡山県高梁市成羽町吹屋中野
ベンガラとは酸素と鉄が結び付いた酸化第二鉄。ベンガラは大昔から絵の具などとして使われてきた人類最古の顔料。
例えばスペインのアルタミラの洞窟の壁画や日本の高松塚古墳の美人画の彩色にも使われていたとされる。
白磁の焼物に鮮やかな赤色を出すのに成功した初代柿右衛門の絵つけにもベンガラが使われていた。女性用の口紅の色として使われていた。
そのベンガラは、鉄鉱石から生成したローハー(緑しょう)を焼成して生産する。
吹屋のベンガラは発色の鮮やかさが優れ、日本のベンガラ生産の殆どを担っていた時期があったとされる。
銅生産の副産物—捨石−であった磁硫化鉄鉱石から偶然発見された。
展示の磁硫化鉄鉱石 約22kg ノミで掘出し鉱石、ノミ跡がみられる
吹屋で鉱山経営を許されたのは西江家・広兼家・谷本家であり、ローハー製造は、片山家・長尾家・東長尾家・仲田家・田村家の5家であった。
ベンガラ館は、明治時代、この谷間に4カ所あった水車を動力とするベンガラ工場を復元し、製造工程を紹介している。
位置図
製造工程順に並べる
釡揚場—原料の「緑礬」→「焼キ」まで
原料の緑礬をよく乾燥して焙烙(ホ−ロク)に少量ずつ盛り、土釡の中につみ重ね、松の薪で700度位の火力で1〜2日焼く。赤褐色の焼キが出来る。
土釡は円筒形で、径1.8m 屋根には煙出しが付く。
水洗碾臼(ひきうす)室—焼キを細かくする
水を加えかきまぜ粗さを分別。さらに細かくするため、水車を動力とした石臼で碾く。三段階に桶が並ぶ。谷水で水車を廻す。
脱酸水槽室—含まれる酸を除く
脱酸は水を加えかきまぜる方法を、数十回〜100回位繰り返す。(ベンガラは水に溶けないので時間経過とともにベンガラは沈降する)
干棚−乾燥→製品
酸抜きしたものを干板にうすくのばし干棚の上で天日乾燥をする。乾燥したものがベンガラである。
資料室
旧ローハー蔵を再利用した資料室
1877(明治10)年片山家ポスター
当地のベンガラや銅は、駄馬の背に積まれ、吹屋往来を通って成羽の廻船問屋まで運ばれ、さらに、高瀬舟に積み替えられ,成羽川・高梁川を下り、玉島港(現、倉敷市)から大坂や西国へ移出されたことがわかる。
May 2011 瀧山幸伸
A camera
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