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岡山県高梁市 吹屋 旧広兼家

Kyu Hirokaneke, Fukiya,Takahashi city,Okayama

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Nov.1,2016 中山辰夫

岡山県高梁市成羽町中野2710

成羽町は、吉備高原 に位置し大半は高原と山林で占められている。町の中央部を流れる  高梁川 支流の 成羽川 沿いに小盆地が形成され町の中心部となっており、 江戸時代 は 成羽藩 の陣屋 があった。北部の吹屋地区 にはかつて 銅 と弁柄 の鉱山 があり、その元締めであった広兼氏と西江氏の邸宅が往時の権勢を偲ばせている。また、 備中神楽 発祥の地として現在でも盛んに神楽舞 が行われている。(ウイキペデイア)

旧広兼邸は、山腹に築かれた広大な石垣、楼門を構えた白壁の屋敷。仰ぎ見ると城郭に見える。映画「八つ墓村」のロケが行われたことで知られる。

庄屋を務め、銅山経営とベンガラ生産で財を成した広兼家が、1810(文化7)年に建築した屋敷。近づいてつぶさに見るとただただ圧倒される佇まいである。

   

広兼邸は旧中野村大野呂の庄屋だった。二代目・元治が小泉銅山(成羽町)と本山鉱山(ローハー製造)の経営に参加して、巨万の富を得、山を切り拓いた台地に豪壮な邸宅を建てた。田地山林の所有は勿論、銀行業にも手を広げた。

外観全貌と細部

楼門と長屋が並ぶ左半分は、切り出した山石をほぼ垂直に積み上げ、漆喰塀が連なる右半分の、反り上がる石垣の曲線が美しい。石垣の高さは15m位か。

正に城郭である。

駐車場から豪邸に向かって左手の通路をのぼる。吹屋への旧道が残る。長屋のぎっしり詰まった広大な石垣を左手に見ながら楼門へ向かう。

           

楼門

        

二層よりなる。城の櫓のようで、展望が効く。二階は不寝番が居た部屋

          

楼門より見た屋敷の前面の景色

    

     

広兼家の鎮守である天広神社と50m程離れたところにある広兼家墓所 境内には衆楽園となづけられた築山の庭もあった。

墓所は立派な門構え。土塀に囲まれ仕切られている。ここから見る邸宅の景観は、四季折々に色彩が変わる山を額縁とした絵になるとか。

    

さらに小さく見えるボンネットバス

楼門をくぐりいよいよ屋敷内に入る

前庭周辺

      

城郭のような雄大な石垣 と長屋・ 主屋 ・ 土蔵 3棟・楼門。 長屋 は江戸時代の文化 10年( 1810年 )に、離れは 大正時代 に建設された。

敷地は781坪 (2,581㎡)、主屋は98坪(323㎡))。

広兼邸宅配置図 

 

向かって左側の長屋は、下男・番頭・下女の使用人部屋や作業場・厩である。

     

水汲み場周辺

      

主屋の後には裏山の岩壁が迫り、片隅に染み出る山水を汲む場があって、水神の小祀が何気なく置いてある。主屋裏の切り立った岩肌が迫る。

みそ倉

写真60

主屋西側、突き当たりにある。凝った意匠が施してある。

主屋(323㎡)の一階は、2列8間の間の構成。左側から控の間、店の間、玄関、客座敷。裏側に居間と料理場、寝室、主人居間が並ぶ。

    

土間〜台所

        

大釡と三連の竃、ベンガラススを塗った大黒柱、縦横に走る太い梁。板の間の台所には鉄瓶を掛けた囲炉裏があり、その奥に女中部屋に上がる吊り階段がある。

玄関の間・ほか

主屋の各部屋は立ち入り禁止で外から覗くだけである。

        

店の間には頑丈そうなタンス、玄関の間は、正面に床の間と押入れがあり、その上に神棚が並ぶ。

客間〜主人居室

     

玄関の間と客座敷との欄間には美しい透かし彫りがみられる。

離れ座敷〜茶室

       

1915(大正4)年、当主の結婚式に一度使用されただけという。

土蔵

     

各棟や軒端の鬼瓦は、家紋入りや獅子頭などの意匠が面白い。

       

味噌倉の壁には、日の出と半月、鶴とウサギ、波をあしらったコテ絵が残る。

       


August 23,2013 大野木康夫 source movie

旧広兼邸

所在地 岡山県高梁市成羽町中野2710

吹屋の中心部からは南に約3㎞離れています。

映画「八つ墓村」のロケ地として使用されたことで有名です。

私の年代ですと昭和52(1977)年の野村芳太郎監督の作品で、金田一耕助が渥美清、広兼邸は西屋の多治見家(原作では田治見家)として使われていました。

屋敷内のシーンは大船スタジオで、屋敷を見下ろすシーンと炎上するシーンは鳥取県日野町に作られたセットで撮影されたので、雰囲気だけ使われたということになります。

それでも、石垣の上建つずっしりとした建物群は圧迫感と迫力があります。

                                                                                           


May 2011 瀧山幸伸

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source movie

  

A camera

                                                 

B camera

                                                                 


July .2005  source movie

広兼家 

広兼家は、江戸時代末期、銅山経営とベンガラ材料の製造で財をなした土地の大庄屋。

桜門づくりの、城を思わせる石垣と威風堂々の大邸宅で、映画八つ墓村のロケにも使われた。

          

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