沖縄県本部町 瀬底島
Sesokojima,Motobu town,Okinawa
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Sep.2010 酒井英樹
瀬底土帝君
Sesoko
Toteikun
瀬底土帝君は、沖縄本島北部西側の本部半島西端にほど近い瀬底島の瀬底に所在する。
土帝君を祀った祠は集落東側の西北に面する傾斜地にあり、珊瑚岩を用いて整然と区画された一画に本殿(イビ)、拝殿(アサギ)などが西北に面して建つ。
土帝君の建設年代は明らかではないが、本殿及び拝殿の軸部石組等の状態から2世健堅親雲上が木像を請じて帰朝した時期、18世紀中頃の造営と考えられる。
その後、本殿や拝殿の屋根が本瓦葺に変わり、正面の石垣は昭和40年頃に一部積み直しセメントで補強したほかは大きな改変はなく、全体として保存状態も良い。
石垣で囲まれた区画の規模は、正面約11.2m、側面17.5mあり、内部は大きく3段に分けられる。
一段高い区画に本殿、中段に拝殿をそれぞれ配し、下段を庭(ミャー)とする。
本殿は桁行、梁間とも約2.65mで、外壁は珊瑚石の巨石を用いた切石組で表面を漆喰仕上げとし、その上に「三尺組」といわれる小屋組を架け、宝形造の赤瓦葺の屋根を置く。
正面は両引の板戸とし内部に土帝君を祀る祭壇を設ける。
拝殿は、桁行約4.5m、梁間約3.6mで、珊瑚石切石の10本の柱を立て、寄棟造、赤瓦葺の屋根を置く。
正背面の中央間を除く各柱間は、珊瑚石の巨石をはめ腰壁とする独特の構成となる。
瀬底土帝君は、沖縄本島を中心に各地に祀られる土帝君のうち最大の規模を保つ礼拝施設で、背後に茂る自然林が構成する歴史的風致の中にあって、石垣で整然と区画された中に珊瑚石の巨石を用いて建築された本殿や拝殿、庭が整然と直線上に並んでおり、土帝君信仰の建築形態をよく保つ代表的な遺構として価値が高い。
本殿
拝殿
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