JAPAN GEOGRAPHIC

滋賀県東近江市 八幡社古墳群

Hachimansha kofungun, Higashiomi city, Shiga
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Jul.06.20142 中山辰夫

東近江市八日市中羽田町滋賀県指定史跡

県内最古級の大型前方後円墳を山頂にいただく雪野山には、200基以上もの古墳がつくられている。

八幡社古墳群もその一部で、雪野山の東麓に開けた谷間に立地する、前方後円墳を含む17基の古墳からなる後期古墳群である。

前方後円墳の古墳は三つの横穴式石室をもつことが特異点で、有力集団の墓域とみられる。

位置関係

八幡社古墳群は、雪野山山頂近くの東麓にある八幡神社拝殿周辺に存在する古墳群で、前方後円墳一基(46号)、円墳15基からなる6世紀後半から7世紀前半の後期群集墳である。

標高100mの地点から150mの中腹にかけていくつかの小支群に分かれて、延長200mにわたり分布する。現地産の湖東流紋岩で構成されている。

17基の古墳群が2〜3基ずつのまとまりをもって直線的に分布している。一般的な古墳群が尾根上に築かれるのに対し、この古墳群は緩く開けた谷上にあるところが、立地上の特徴である。

説明

現地測量図

現況

17基の内、46号墳は墳長24mの前方後円墳で、他の古墳は円墳である。

■46号墳

古墳群の中でも比較的開けた所に存在する。

全長約24mと小型で、前方部を南谷(谷奥)に向けている。この古墳の後円部には全長約7.5mの両袖式の、前方部に全長約6mの副室を持つ片袖式の、くびれ部に全長約5.5mの片袖式の、3カ所の横穴式石室の主体部があることが大きな特色となっている。

くびれ部の石室は平面形がL字形を呈した特異な形態である。

築造順位は、先ず後円部が墳丘築成時に築造され、その後前方部、くびれ部の順に、6世紀後半から末までの比較的短い間に構築されたとされる。

写真の石室は、後円部の石室開口部で、最初に築造されたとされる。

46号1号室

46号3号室

46号2号室 入れない

■41号墳

1990(平成2)年の発掘調査の結果、両袖式の横穴式石室を持つ直径約11mの円墳。玄室の長さ2.9m・羨道の長さ2.3mほどの円墳で、玄室内部の床面から、須恵器の杯身・杯蓋・短頸壺・土師器の小型壺・鉄製品など副葬品が出土し、7世紀前半の築造と判明。

■42号墳

■43号墳

■44号墳

■45号墳

■47号墳

■48号墳

古墳群は八幡神社建立時にも破壊があったといわれる。

■墳形をあしらった休憩所 雪野山山頂までの登山路も整備されている。

八幡神社

雪野山山麓に八幡郡古墳群を中心に、雪野山歴史公園が整備されている。附近には古墳群が存在する。

参考資料≪古代近江に遺跡、近江の遺跡、近江の文化財教室、他≫ 葬者は大和政権の承認を受けて、この付近を納めていた豪族と考えられ、滋賀県の湖東地方が大和政権と深い関係にあり、かなり高い文化を持っていたとされる。

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